すこの方法は、踏歩変換と方向変換を同時に行う方法である。これを、繰り返し実施することにより、馬は直ぐに右へ回転することを認識し、手前を変えなければ回転しにくいことも理解する。また、馬は事前に右へ回転することを察知し、後肢もここで変換したほうが楽になると思うようになる。◆ケース4踏歩変換の扶助を強く出しても、どうしても変換しないこのような例は、決して少なくない。これらの原因はいくつか考えられるが、その馬にとって最高の駈歩を作ったとしても、フライングチェンジを理解してくれないことは多い。私はこのような場合、変換場所に横木や小さな065②踏歩変換を実施①姿勢を入れ換える③方向変換②踏歩変換の扶助と同時に方向変換①姿勢を入れ換える運動の応用◆ケース3踏歩変換の扶助で前肢のみ変換し、後肢を変換しないスイングユタカ号に踏歩変換の調教をしている段階で、このようなことが生じた。この馬は、右から左への変換は早い段階で習得したが、左から右への変換は後肢の変換が遅れることがほとんどであった。このようなケースは他の馬でも多くあり、左右手前の柔軟性、骨格、筋力など総合的に問題があるため、解決には時間を要すると覚悟することにしている。この場合、馬は変換の意思はあるが、どう対応していいか分らないという状態が多いと思われる。ほとんどの馬は馬体の構造的な問題がない限り、踏歩変換ができるはずなので、そのタイミングを馬が理解すれば難なく実施することができるようになる。しかし、正しい踏歩変換のタイミングを理解する過程は、その馬毎に違うため、一概にどれだけの時間が掛かるとは言い切れない。駈歩の空間期が長いほうが馬は踏歩変換のタイミングを理解しやすいので、騎手は馬の体勢を丸くして空間期の長い活発な駈歩を絶対条件として要求していかなければならない。図1の実施手順は、①・半巻乗りから蹄跡上に入る前に、馬体の姿勢を入れ換える (図の場合は右内方姿勢から左内方姿勢へ)図1す②・騎手の脚の位置も入れ換えて、踏歩変換の扶助を出③・踏歩変換後、左へ方向変換をする ・この方法は、姿勢を入れ換えて踏歩変換の扶助を出用する図形である。①・反対半巻の図形で、左手前の駈歩で斜線に入る ・左駈歩をしながら右姿勢に変換し、踏歩変換の準備②・右へ回転すると同時に脚を入れ換え変換の扶助を出すオーソドックスな方法である。図2は、前肢を変換しても後肢を変換しない場合に利を整える図2
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