JRA Dressage Training
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頭頸肩背腰軸が前方にずれている肩が外方へ膨れている外方脚を強く使用している内方の脚と騎座を屈曲のために使用する矯正外方手綱で肩を左内方へ向かって押し、内方脚で内方の軸を正しい位置へ戻す。外方脚の使用を控える059後躯が先行して、交差が深くなり過ぎる場合の矯正方法後躯が前躯より先行すると、馬は後躯にリフトすることができず、ハーフパスでカダンスを保つことができなくなる。そのため、前躯は後躯よりもやや先行した体勢でハーフパスを実施しなければならない。横へ行進することが容易にできる馬は、後躯が前躯よりも先行してハーフパスを実施することが多くなってしまう。騎手は常にそのことに注意を向け修正しなければならない。この場合の矯正方法は、騎手の感覚のみで足りる。馬は騎手の要求によく応えてハーフパスをしており、明らかに騎手のみの問題である。簡単に言えば、騎手のハーフパスに対する扶助の加減をその馬に合ったものにするだけで、容易に修正できる。ここでも、交差が浅過ぎるハーフパスの矯正方法と同様に、肩の位置に注目すべきである。例えば、左ハーフパスを行う。交差が深くなって後躯が先行している場合、馬の肩の位置は右方向へ出過ぎていることになる。後躯が先行しているからといって、左脚で馬の左腰を右へ押そうとするのではなく、右外方後躯が先行して、交差が深くなり過ぎる場合の矯正方法後肢が先行したハーフパス(左)運動の応用手綱で右に出過ぎた馬の肩を左前方へ導くことによって、ハーフパスの正しい体勢に戻すことができる。

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