斜ななめ横よこ歩あし(レッグイールディング)◎斜め横歩052JRA Dressage Training斜め横歩は、4肢を交差させて斜め前方に進む運動である。馬体は真直ぐで、馬の顔だけ僅かに進行方向とは反対(内方)を向くが、曲げ過ぎてはならない。この運動は、騎手が使用した拳と脚扶助に対して馬が従順に反応するかどうかを試すと同時に、4肢を交差させることで、前躯と後躯の横への可動域の拡大を図るために役立つ。ドイツ馬術の理論の中には様々な考え方があるため、一概に斜め横歩を取り入れないとは言い切れないが、私の研修先の厩舎では取り入れることはほとんどなかった。一般的には斜め横歩をハーフパスの前段階として利用するが、私が研修した厩舎では「肩を内へ」を実施した後、その体勢のままハーフパスへ調教を進めていた。しかし、斜め横歩は、初期調教の過程で有効に活用すべき運動である。斜め横歩は、脚扶助の使用によって推進力の方向を馬に理解させ、肢を交差させることによって馬体の柔軟性の強化や真直性の維持など、様々な効果を生み出すことができる運動である。生まれつき横へ進むことが得意な馬とそうでない馬がいる。横へ進む運動が得意な馬については、「肩を内へ」からハーフパスへ移行し、不得意の馬に対しては、斜め横歩を何度も実施して4肢を交差させる訓練を重ね、横へ進む動きを馬に習得させる。
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