JRA Dressage Training
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ホワイミー号 [12歳 ハノーファー]自発的な推進力ドイツ研修レポート❸足りている騎座からの推進のみに集中し、脚の扶助はほとんど使用しない馬が自発的に前進しようとしている間は、騎手は騎座以外に推進しないようにする。そして、怠惰な動きになれば、脚での推進を繰り返し行う。馬の頭の中で、自分から動けば強い要求はされなくなるということを理解してもらうと同時に、前進すること自体が快適であるということを学習させる。透過した状態を保つ馬に前進気勢が足りていない脚を使う脚は小刻みに使うのではなく、思いっきり強く使って馬を前へ出し、積極的に動くようにするその扶助に反応し、馬自身で前進するようになるどんな馬にもそれぞれ優れたところがあり、その異なった長所を100%引き出すのが騎手の役目である。馬上で馬の動きを妨げたり、誤った扶助を使い続けたりすることにより、馬の能力を発揮させることができずにいる人馬も多くいることだろう。ここで述べる前進意欲にも、馬によって大きな違いがある。騎手が脚によって推進する必要がない馬もいれば、常に脚や鞭などによって働きかけなければ前進意欲を保てない馬もいる。しかし、先天的ではなく、騎手からの影響によって後天的に反応が鈍い馬になることも、充分にあり得ることを考えていなければならない。048JRA Dressage Training

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