頭ホワ頸イミのー位号 [置13歳と ハノー背ファのー]柔軟性ドイツ研修レポート❶シュミット氏のトレーニングは、鼻梁を垂直に、頭頸を正しい位置に定めることを強調する。ただし、それは馬が抵抗を示すことなく、軽いコンタクトを維持できている状態の場合である。もしそうでなければ、頭頸全体をやや低くし、やや内へ巻き込む体勢にしてハミへの抵抗を取り除く。それに馬が順じた場合は、直ちに元の正しい体勢に戻すように指導する。これらのことは正に理想であり、そうすべきことに異論はないし、そうするための努力はしているが、抵抗している状態から脱却するために時間が掛かることがあるのも、また事実である。馬が頭頸に力を入れて緊張すれば、背中の柔軟性も失われ、後肢の踏み込みにも影響する。このような悪循環が繰り返される前に、何らかの対処をしなければならないが、やはりその対処法としてすべきことは、頭頸の位置を低く保ち、リラックスさせることである。頭頸の位置をどの程度低くするのが適切かという疑問が出てくるかもしれない。しかし、これは感覚的なものであり、数字で角度などを表すことはできないだろう。また、馬の抵抗具合によってその体勢も変わってくるのだと思う。オランダで盛んに普及しているハイパーフレクションは、馬の頭が前肢の間に入るほど屈曲させる方法である。私もこの方法を取り入れてトレーニングをした経験があるが、未熟な技術のうえ本質を理解していないまま行っていたため、良い感覚を得た記憶があまりない。これは私見であるが、形や体勢に拘るのではなく、馬の頭頸の力みが取れてリラックスした状態であれば、低くし過ぎて前方へバランスを崩してしまわないようにしたほうが、その後の起きた体勢へと繋げやすいように感じている。このように、競技の時の正しく起きた体勢よりも頭頸をやや低くし、鼻梁もやや内に入った体勢で運動する時間を多くして、リラックスした動きを浸透させるようにした。このような体勢で運動を続けるにしたがって、速歩は以前よりスイングした動きになり、脚で推進する力が小さくなった。また、馬がリラックスした状態からは内方への屈曲も楽になり、以前にも増して内方姿勢を深くとれるようになったため、ハーフパスの準備が非常に容易になった。駈歩運動でも頭頸を低くラウンドした状態にし、ストライドを大きくするようにしたところ、駈歩にあった硬さが取れてスムーズな動きに変化した。この体勢で運動することは、ハミに強く出てくる傾向があるピアッフェ・パッサージュでも有効で、頭頸の左右のフレクションができ、馬自身がラウンドするように仕向けていく。この馬はパッサージュになると背を張って緊張する傾向があったが、頭頸を低く保って背中を使うことにより、空間期も長くなってリズムが生まれやすくなった。ピアッフェにおいても同じことが言え、特にピアッフェへの移行では、頭頸を低くラウンドした状態を作り、後肢を楽に踏み込ませることを意識するようにした。(2008年1月報告書より)040JRA Dressage Training
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