半減却のトレーニングパターン1.速歩から常歩への準備区間が半減却を作り出すきっかけになる 速歩から常歩への移行の準備をする(歩度を詰める) ハミを受け、透過性を持ちながら、飛行機が着陸するように緩やかに移行する 馬が扶助に従わない場合は、常歩にしないで速歩に戻り、もう一度はじめから準備する この常歩への移行の準備こそが、半減却を作り出す基礎になる2.常歩への移行ポイント20m輪乗りで、速歩から常歩への移行するポイントを決め、繰り返し半減却を行う。速 歩常 歩速 歩3.常歩から速歩への移行の準備をし、頭頸の位置が変わらないように発進する028JRA Dressage Trainingみ出される前進気勢である。脚扶助(アクセル)によって前進気勢を促し、エンジンの回転数を上げる。②拳と騎座と脚の関連性(重心の後方への移行)脚扶助によって生まれた前進気勢を、前進することに使わずに馬体の中に溜める。拳は、ハミに出てきた推進力を受け止めるために控えるが、後方へ引っ張らない。騎座は拳と同時に使用し、馬の動きに同調しながらも これらの運動を続けていくうちに、馬が何を要求されているかを学習するため、騎手が使う扶助の強さは回数を重ねる度に小さくなっていくはずである。ただし、騎手が移行の扶助を出す前に、馬が勝手に常歩へ移行して休もうとする場合は、移行するポイントを変更すべきである。 移行のイメージは、【速歩から常歩へ】は飛行機が着陸するように弾発を維持しながら緩やかに行い、【常歩から速歩へ】は離陸するように滑らかに移行すべきである。【速歩から常歩へ】の移行時は、常歩になる直前の1歩まで速歩が続けられているようにする。速歩から急激に常歩に落ちてしまう場合には、半減却が正しく実施されておらず、馬体にパワーが溜まっていないので、同じことを繰り返さないために、脚をしっかり使って推進を増しながら実施する。 これらの運動が安定的に実施できるようになると、次の段階として速歩から常歩へ移行すると見せかけ、その準備だけを行う。推進をより強くし、それを拳と騎座で受けながら馬の中に溜めるパワーをより増大させ、弾発を生み出すように半減却を行う。騎手が半減却が通ったことを確認できれば、常歩にしないで速歩のまま前進し、要求したときにいつでも馬が反応する関係を築くようにする。その範囲を狭くする。(「騎座の効果とその使い方」参照13ページ)③半減却の状態馬のバランスが後躯に移ってパワーが後躯に溜まり、その結果として後肢が踏み込んで後躯が沈下し、膝や飛節をよく曲げ、弾発を伴った半減却の状態になる。バランスが起きると馬はセルフキャリッジするため、使用していた扶助をより小さくすることができる。
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