JRA Dressage Training
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012345脚扶助の使用レベル表018JRA Dressage Trainingレベル※拍車は推進の副扶助であるが、継続的に使用するのではなく、馬が反応しなかったときに懲戒として使用する。しかし、拍車はできるだけ使用しなくても済むように努めるべきである。騎手が使用する拳は、馬とのコミュニケーションを図る際に重要な役割を果たすものである。拳は手綱とハミを通して馬の口と繋がっており、馬のフィジカル面ばかりでなくメンタル面にも大きな影響を与えるため、騎手はどのように拳を使うべきかを考え、その場に応じた繊細な動きを用意していなければならない。馬の状態騎手が要求していることに対して、馬が応えている状態。騎手が要求していることに対して、最少の脚扶助で馬が反応している状態。騎手が要求していることに対して、最少の脚扶助で馬が反応しない状態。騎手が要求していることに対して、馬の反応がやや鈍く、明確な脚扶助が必要な状態。騎手が要求していることに対して、馬の反応が鈍く、強い脚扶助がなければ反応しない状態。強い脚扶助に対しても無視をした場合は、拍車を使用して懲戒を与える。脚扶助を無視したことに対するペナルティであることを知らせる。脚の使用部位馬体に対する操作ふくらはぎ上部ふくらはぎ上部ふくらはぎ上部ふくらはぎ下部ふくらはぎ上部ふくらはぎ下部くるぶしふくらはぎ上部ふくらはぎ下部くるぶし踵ふくらはぎ上部ふくらはぎ下部くるぶし踵拍車触れているだけで、圧迫しない(オフ)軽く圧迫(タッチ)強く圧迫(強いタッチ)やや強い脚(軽いキック)強い脚(強いキック)懲戒拳の扶助には様々な使い方がある。最も弱い作用は「極僅かな握り」で、ほとんど力を使う必要がないコンタクトが馬と保てている場合に存在し、この状態は馬が自らバランスをとって透過した体勢でいるときのみに生じる。最終的には、この軽いコンタクトを保ちながら運動するのが人馬共に望ましい。その関係を構築するために、馬によっては一時的に拳の強い作用を必要とする場合があるが、どんなに強い要求をする場合も、拳が能動的に働き過ぎないように注意する必要がある。馬のいろいろな体勢を作るために、騎手が拳を左右に積極的に動かし、抜き差しするように使う場面を目にすることがし馬の反応と、その後の騎手の対応脚扶助はオフのまま。馬が反応すれば、直ちにオフ(レベル0)に戻す。馬が反応しなければ、レベル2へ。馬が反応すれば、直ちにオフに戻す。馬が反応しなければ、レベル3へ。馬の反応が弱くなる度に脚を使い、反応すればオフに戻す。馬が反応しなければ、レベル4へ。脚扶助を使う割合が多くなるが、強い脚扶助を瞬時に使って馬のリアクションを求める。馬が反応しなければ、レベル5へ。この脚扶助は最後の手段であるため、馬の反応を確実に得て、濫用しないこと。最少の扶助で反応するために、懲戒を与える。北原広之作成拳の使い方3.拳について

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