馬の動きに同調同調する範囲を小さくする太腿の内側は鞍に密着させ、必要に応じて締める膝は鞍に密着させ、必要に応じて軽く挟むふくらはぎ上部の内側を鞍に密着させるが、締め付けないふくらはぎ下部は通常馬体から離すつま先は真直ぐ進行方向へ向ける014JRA Dressage Training基本姿勢は、上体だけでは維持できない。特によく言われるのは、「座りをしっかり、騎座を深くして安定させる」ということである。しかし、動く馬の背の上で騎手が安定して鞍に座るためには、どの部位をどのように使うかなどについて、明確な説明がなされないことが多い。そのため、座ることに集中した騎手は騎座のみに意識が行って、座骨を鞍に突き刺すように使ってしまい、その結果上半身に力みが生まれ、馬の反撞を身体で柔軟に吸収できずに跳ね上げられてしまうことになる。騎座を安定させるには、土台になる下半身を安定させることが必要である。よく聞かれる質問として、「どうしたら鞍に座れるようになりますか?」「もっと馬上で安定したいのですが・・・」などが挙げられる。私は、常に「座骨だけで座ろうとしないことです。太腿に助けてもらいましょう。」と提案する。騎座を安定させるためには、その土台でもある下半身が安定する必要がある。そこで、騎座の太腿を利用する。利用の仕方は単純で、膝を僅かに挟むことにより太腿の内側を鞍に密着させることである。感覚的には、誤解を恐れずに表現するならば、「太腿を締める」ことである。それと同時に、騎座と上半身の力を抜いてリラックスするようにする。太腿を密着させると、膝とふくらはぎも鞍に密着することになるが、締め付けてはならない。ふくらはぎが常に馬体を締め付けていると、無闇に馬を刺激することになり、常にアクセルを踏み続けている状態になってしまうからである。膝部分については、鞍に密着しておくが、締め付けてはいけない。ただし、鞍を締め付けないようにするあまり膝が鞍から離れてしまうと、太腿の内側も鞍から離れてしまい、騎座が不安定になる。これらの太腿の働きは、一時的に騎座を安定させようとする場合に使用するもので、常に使い過ぎると股関節の緊張に繋がって逆効果になる。そのため、騎座の安定が図られた後は、徐々にその働きを弱めていき、身体全体がリラックスしても馬の動きについていけるようにする。つま先は、鞍に密着した膝の向きと同じように、真っ直ぐ進行方向に向ける。膝が真っ直ぐ前に向いていれば、つま先も必然的に前に向く。膝を開いてしまえばつま先も外へ開き、結果的に太腿の内側が鞍にフィットせず、腰の構えの安定性を欠いてしまう。太腿・膝・ふくらはぎ・つま先は繋がっているため、一つだけ誤った方向に向くことはない。太腿の使い方騎座と脚の理想的な使い方
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