112JRA Dressage Training修の機会を与えていただきました。この前年に結婚した妻を帯同したドイツ研修は、私にとって大きな転機となりました。研修先の指導者は、当時世界的には無名のライダーであったフベァトゥス・シュミット氏(2004年アテネ五輪団体金メダル)で、彼は私に多くのことを教えてくれ、私は彼を「世界一の技術を持っている人」と確信しました。そして、彼が調教したハノーバー種ウサギヨウジンボウ号からは基本という最も大切なことを、同時にグランプリへの道もこの馬から学びました。KWPNのヒポス号からは、グランプリ運動の、特に踏歩変換の難しさを学びました。そして、日本に帰国する半年前に、ほとんど未調教のハノーバー種ホワイミー号と出会いました。その後、10年間この馬に乗り続けて、世界馬術選手権(ケンタッキー/2010)に出場する機会を得たことは、馬場馬術の神様からのプレゼントだったと思います。帰国後も、馬事公苑や各地方での講習会を通して、数多くの馬場馬術用の馬たちと出会いました。これらのたくさんの馬たちから受けた感覚を大切にし、馬事公苑に戻って日々磨き続けてきました。「どんな馬にも乗れるようになりたい」、その一心で色々な研究をしてきました。そこで日々感じることは、馬は強制力には従わないが、納得しさえすれば人間に協力的になり、我々と調和して同じ目標に向かって共同作業してくれるものだということです。今更ながら、馬の心理を理解することが大切であると痛感しています。馬は人と同じで、必ず良いところがあります。「この馬はできない」と決めつけて、できない言い訳を考えるライダーではなく、「この馬ならこれができる」と思い、できる可能性に賭け、できる方法を探すライダーになりたいと思います。日本の馬場馬術界は、スポーツとして長い歴史を持ちながらも、馬術先進国に驚くほど遅れをとっています。馬場馬術用馬の生産だけでなく、もっと深刻なことは騎乗技術の遅れです。その解決の一助として、私が海外で学んできた馬術先進国の騎乗技術と調教法を多くの人に還元して、次世代に継承していきたいと考えています。今回この本を作成するにあたり、表現方法に悩みました。恐らく、私の言い表し方に首を傾げる方も多いと思います。現在の私の少ない経験では、残念ながらこのような言葉でしか表現できませんでした。しかし、今後さらに多くの経験を積み重ねて、この本の内容を変更したり、新たに付け加えたりしながら自分自身、そして皆様の納得できるものに変えていきたいと思っています。そのためには、自分の騎乗技術をもっと高度なものにすると同時に、調教理論の研究もさらに進めていかなければなりません。それは終わりのない探求かもしれませんが、いつの日か、もっと分かりやすく誰もが納得してくださるものになるよう、今後も努力していきたいと思っています。この本が、多くのライダーの問題解決のきっかけになり、愛馬との関係改善に少しでも役立てば、私にとってこれ以上の幸いはありません。 最後に、この本を完成させるまでにアドバイスを頂いた多くの皆様と、本文作成と編集にあたって多大なご協力を頂いた山口洋史氏に感謝致します。4月・4月・明治大学入学4月・日本中央競馬会(JRA)入会3月・海外馬術研修3月・ドイツより帰国2月・海外馬術研修4月・ドイツより帰国JRA馬事公苑・弦巻騎道スポーツ少年団入団・個人優勝(明菱号)・馬事公苑普及課に勤務・(ドイツ シュミット厩舎)全日本馬場馬術選手権優勝(3年連続・ホワイミー号)・(ドイツ シュミット厩舎)・(WEGケンタッキー/2010)出場北原 広之 (きたはら ひろゆき)1971年生まれ 東京都出身1978年・・1991年・1994年・11月・全日本学生大会馬場馬術・1995年・・1999年・・2001年・2004年・11月2005年・11月・ 2006年・11月2007年・・2008年・2010年・10月・世界馬術選手権・
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