JRA Dressage Training
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009①前へ動く確に分けて考えることが重要である。馬術は、馬が積極的に前へ動くことで全てが始まる。その前進気勢は、騎手の合図により始まるが、それを維持するのは馬の仕事である。そのため、騎手が脚や鞭などによって常に馬に働きかけている関係であってはならない。騎手がひとたび前進の扶助を出せば、馬は喜んで前進し続ける気持ちを持っていることが理想である。②馬自身のバランスを保つ騎手は常に馬のバランスに気を配り、修正を促すことはするが、運動中に正しいバランスを維持するのは馬の仕事である。騎手が手綱を使って、馬のバランスを維持しようと常に働きかけるべきではない。日々のトレーニングは、馬自身が自分のバランスを保つためにあると言っても過言ではない。③騎手の扶助に反応する馬は騎手が出した扶助を無視してはならない。的確に出された扶助に対して、馬は素直に反応し、要求されたことを正しく実行する。難しい要求に対しても、騎手が段階的にトレーニングを進めることによって、出された扶助の通りに馬は冷静に反応すべきである。これらのことが人馬共にできれば、双方が楽しく、ストレスがなく運動することができるはずである。人馬の仕事の比率を考えれば、馬が行うべき仕事の重要性は高い。主役は馬であるため、騎手があれこれと馬を常に手助けしていては、馬の積極性を失うことになる。人馬が調和するためには、この人馬の役割分担を明人と馬との関係大きく揺れる馬上で基本姿勢を崩さずに維持できることである。そのトレーニングは、鐙上げの練習をしながら身体の力みを抜き、馬の反撞(反動)に影響されないようにする。これは一朝一夕に体得できることではなく、日々の意識と継続によってのみ達成できる。特に難しい速歩の正反撞を騎手が正しく受けられることは、調教が進むにつれその必要性が大きくなるため、時間を掛けてでも体得しておく必要がある。それらが確立して初めて、騎座が安定して馬とのコンタクトが保てるようになる。また、騎手は常に冷静に馬に接し、こちらが要求したことを馬が受け入れないからといって感情的になってはならない。まず、自分の扶助が馬にとっては到底受け入れられないようなものなのではないかと省みる謙虚な姿勢が必要である。騎手が行うべき仕事と馬が行うべき仕事を分けて考えることで、人馬の仕事の分担を明らかにし、馬に自分がすべきことは何かを考えさせ、それを実行させることで、はじめて人馬共に調和がとれるようになる。そうすることにより、均衡がとれた筋力を備えたアスリートに馬を育てることができる。①馬の動きに同調(随伴)し、邪魔をしない前進気勢を持って動いている馬に対して、騎手は鞍上で馬の動きを阻害することがあってはならない。もし、騎手が馬上でバランスを崩したり、手綱を引いてしまったりして馬の動きを阻害するようなことがあれば、馬は自ら前進しようとする意欲をなくしてしまう。②的確なタイミングで扶助を出す馬のバランスが正しいか否かを判断して、馬に扶助を出すことは騎手の重要な仕事である。もし馬のバランスが崩れていた場合は、騎手は的確なタイミングで扶助を出さなければならないが、そのためには、騎手の安定した騎座と優れた感覚で使われる拳(コンタクト)が必要である。騎手の仕事馬の仕事3.騎手の仕事と馬の仕事

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