JRA Dressage Training
107/116

HSEVKHSEVKHSEVKCXACXACXAMRBPFMRBPFMRBPF4568m105F.E.Iセントジョージ賞典2009巻き乗りは、基本的な運動で簡単な運動と捉えられがちであるが、8mの巻き乗りは非常に難しい運動のひとつである。ここでも、最も重要なのは、内方姿勢である。「肩を内へ」の体勢を利用したまま、巻き乗りに入るので、正しい屈曲がとれていないと、巻き乗りにも悪影響を及ぼす可能性がある。巻き乗りの前半は、内方姿勢の維持と8mの巻き乗りの図形を正確に作るために費やす。巻き乗りで、充分に準備がなされていれば、スムーズにハーフパスに入っていけるはずである。ハーフパスは、収縮速歩と同じペースとカダンスを持ち合わせているべきで、失速したり弾発が失われないようにするべきである。収縮に捉われ過ぎず、馬によっては中間速歩でハーフパスを実施するくらいの前進気勢が必要なこともある。伸長速歩は、第2項目と同じである。M手前の隅角で内方姿勢をしっかりととりながら、脚でアクセルを吹かしコンタクトと騎座でそれを受け、馬体にパワーを溜める。できるだけ早く馬体を斜線上に乗せ、真直ぐにする。真直ぐすると同時に溜めたパワーを解放するが、コンタクトを緩め過ぎるとバランスが崩れイレギュラーの原因になるので注意。最後まで伸長運動が続かない馬は、X付近で一旦B左へ巻き乗り(直径8m)BG左へハーフパスG中央線に入るC左蹄跡に入るHXF伸長速歩FAK収縮速歩8mラインを目測するために、中央線を探し、そこから2m手前を通る。正しい図形と馬の姿勢で前半を終えられると、後半の半分はハーフパスの準備に費やす。ハーフパスの準備とは、具体的には、内方姿勢をとりながら、巻き乗りの最後は蹄跡を2歩ほど「肩を内へ」の体勢で終えるようにすることである。そして、巻き乗りが終わると同時に直ぐにハーフパスに入れる準備を整えておく。ハーフパスの体勢については、側方屈曲を正しく求め、美しいベンディングラインを維持していなくてはならない。横への動きに敏感に反応する馬であれば、外方脚の使用を控え、後躯先行になるような体勢にすることは、断じて避けなければならない。後躯先行は、全て騎手が原因で起こると言っても過言ではなく、外方手綱で外方肩を前へ押して使い、前躯が先行する体勢にしてやるべきである。ハーフパスの最後は、G点のやや手前を目指し、一旦馬体を真直ぐにしてから曲がる方向の内方姿勢をとって回転の準備をする。ゆっくりとコンタクトを控えもう一度パワーを溜め、後半もう一度伸長速歩をするつもりで前へ出す。F点に向かって真直ぐに蹄跡に入り、しっかりと歩度を詰め、メリハリをつける。FAK間の収縮速歩については、審判員から見て真横から速歩を見せられる絶好のチャンスであるため、弾発とカダンスのある活発な速歩を見せる。そのため、収縮に拘らず、前に出すことも馬によっては必要。

元のページ  ../index.html#107

このブックを見る