JRA Dressage Training
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101運動の応用競技会に臨むためのメニューになっているということである。もちろん、競技直前での馬の状態に問題があれば、それを改善するためにはメニューを変更することもある。例えば、馬が周りの環境を気にして集中しない場合は、ベーシックな運動と移行運動(速歩⇔常歩⇔駈歩)を何度も繰り返し、馬の注意を騎手に向けるようにする。 また、実際の競技会を熟知している馬に対しては、それなりの準備が必要である。こうした経験豊富な馬は、競技会の馬場柵の中では、強い脚や鞭を使われないことを知っていることが多く、実際持っている実力を発揮せずに終わってしまうことがある。こうした馬に対処するには、競技本番にピークを持っていくように、少しずつ馬の気持ちを上げていく。誤解を恐れずに言えば、やや興奮するようにテンションを高めていく。その方法は、とにかく騎手の脚扶助を馬が無視しないようにすることである。脚を使い、それに対する馬の反応を鋭敏にしておくことが、騎手にできる最大の対応方法である。

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