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特別レース名解説  4回 京都競馬
【第1日】 10月6日(土)
●愛宕(あたご)特別
 愛宕は、京都市北西部にある山。標高924m。山頂に愛宕神社があり、本宮に稚産日神(わくむすびのかみ)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)などを、若宮に雷神(いかづちのかみ)・迦具土神(かぐつちのかみ)を祭っている。7月31日夜から8月1日早朝の間に参拝すると、千日分の防火の御利益があると言われる千日詣が有名。

●清滝(きよたき)特別
 清滝は、京都市右京区の地名。保津川支流の清滝川が流れ、高雄や保津峡をめぐるハイキングコースになっており、秋には紅葉の名所として多くの観光客が訪れる。天然記念物のゲンジボタルの生息地としても知られている。

●デイリー杯2歳ステークス(GII)
 本競走は、昭和41年に1,600m、馬齢重量の条件で創設された重賞競走。翌年には1,400m(49年〜52年は1,200m)に短縮され、平成9年より再び1,600mになった。
 デイリースポーツは、昭和23年創刊のスポーツ紙。本競走は、デイリースポーツを刊行する神戸新聞社より寄贈賞を受けて施行される。

【第2日】 10月7日(日)
●円山(まるやま)特別
 円山は、京都市東山区にある公園の名称。明治19年(1886)に開園された市内で最も古い公園。周辺には八坂神社・知恩院・高台寺などがある。園内には坂本竜馬、中岡慎太郎の銅像があり、桜の名所としても知られる。特に祇園枝垂桜(昭和22年に枯死。現在は2代目)が有名。春と秋の観光シーズンには観光客が多く訪れる。

●大原(おおはら)ステークス
 大原は、京都市左京区の地名。比叡山の北西麓に位置し、寂光院・来迎院・三千院などの古刹のほか、後鳥羽天皇の陵や惟喬親王の遺跡がある。しば漬けの産地としても有名。

●夕刊フジ杯オパール(Opal)ステークス
 オパールは、真珠のような光沢をもつ半透明の鉱物。光の具合で異なる色を生じるのが特色で、主成分はケイ酸。欧米では涙をもたらす石と呼ばれている。5〜10%程度の水分を含んでおり乾燥が進むとヒビ割れることがある。10月の誕生石とされている。
 夕刊フジは、産経新聞社より発行されている昭和44年創刊の夕刊紙。本競走は、同社から寄贈賞受けて施行される。

【第3日】 10月8日(祝・月)
●久多(くた)特別
 久多は、京都市左京区の地名。京都市の最北端に位置し、山々に囲まれ豊かな自然に恵まれていることから、キャンプ場が整備され、渓流釣りなどアウトドアが盛ん。室町時代から伝承されている「花笠踊り」は国の重要無形民俗文化財に指定されている。

●平城京(へいじょうきょう)ステークス
 平城京は、元明天皇の和銅3年(710)に藤原京から遷都し、桓武天皇の延暦3年(784)に長岡京に遷都されるまでの都。京域は現在の奈良市から大和郡山市に及び、主要部は東西約4.3km、南北約4.8km。北端中央を平城宮とし、その南面中央から南下する朱雀大路の東側を左京、西側を右京、左京の東側への張り出し部分を外京と呼んだ。

●農林水産省賞典京都大賞典(GII)
 本競走は、昭和41年に『ハリウッドターフクラブ賞』の名称で創設された競走。当初は3歳以上、3,200m、別定重量で施行されていたが、42年に距離が2,400mに短縮され、49年に現在の競走名に改称された。秋の中長距離GI路線に臨む馬の前哨戦となっている。

【第4日】 10月13日(土)
●りんどう賞
 りんどうは、リンドウ科の多年草。根茎は短く、茎は斜上あるいは直立している。日本のほぼ全域に分布し、秋に青紫色の鐘状の花を数個開花させる。根は苦みが強く、品種によっては竜胆(りゅうたん)の名で健胃薬として用いられてきた。花言葉は「正義」。

●鳴滝(なるたき)特別
 鳴滝は、京都市右京区の地名。また、御室川にある滝。名は、滝の音が洪水の前触れを知らせ、村人の命を救ったことに由来する。また、江戸時代の陶芸家、尾形乾山が窯を開いた地でもある。

●清水(きよみず)ステークス
 清水は、京都市東山区の清水寺を中心とした一帯。清水寺の山号は音羽山、宗派は北法相宗で、観音と舞台が有名。宝亀9年(778)の開創といわれ、平成6年にユネスコ世界遺産に登録された。京都の代表的な寺院で、本堂裏には名所「音羽の滝」があり、多くの参拝客が訪れる。また、陶器の清水焼は全国的に知られている。

【第5日】 10月14日(日)
●堀川(ほりかわ)特別
 堀川は、京都市中心部を流れる川。延暦13年(794)平安遷都の際に、自然の河川に手を加えて流路を定めた。かつては農業用水や友禅染の工程に利用されていたが、現在は大部分が地下を通る水路になり、ほとんど地表に水は流れていない。堀川通り沿いには二条城や西本願寺などがある。

●三年坂(さんねんざか)特別
 三年坂は、京都市にある通りの名。清水寺への参道として、大同3年(808)に作られたことが名の由来といわれる。また、別名の産寧坂(さんねいざか)という名は、安産の信仰がある子安観音への参詣道にもあたることから名付けられたと言われている。

●秋華賞(GI)
 本競走は、平成8年に創設された3歳牝馬限定の競走。2,000mの馬齢重量で争われる。従来、桜花賞、優駿牝馬(オークス)に続く牝馬三冠レースとしてはエリザベス女王杯が設けられていたが、同競走が古馬牝馬競走体系改善に伴い3歳以上馬による競走となったため、新たに三冠を締めくくる競走として本競走が設けられた。
 競走名の「秋華」は、中国の詩人である杜甫や張衡が文字通り「あきのはな」として詩中で用いた言葉である。「秋」は大きな実りを表し、「華」には名誉、盛り、容姿が美しいという意味が込められている。

●藤森(ふじのもり)ステークス
 藤森は、京都市伏見区にある神社。本殿は、室町時代の一間社流造りで重要文化財に指定されている。5月上旬に催される藤森祭では、勇ましい武者行列が町内を巡り、表参道では神事である駈馬(かけうま)神事が行われる。

【第6日】 10月20日(土)
●壬生(みぶ)特別
 壬生は、京都市中京区の地名。かつては朱雀大路と並行して平安京を南北に貫く壬生大路が大内裏の美福門に通じていたが、低湿地であったため農業が発達し、農村に転じていった。幕末には新撰組が屯所を置いたことで有名。また、壬生寺では毎年節分・4月・10月の年3回、国の重要無形文化財である壬生狂言が一般公開される。京野菜のひとつ壬生菜の原産地でもある。

●古都(こと)ステークス
 古都は、古い都、旧都という意味。京都は、延暦13年(794)に平安京として長岡京から遷都され、明治元年(1868)の東京遷都まで1000年以上にわたって日本の政治の中心地であった。かつての皇居、京都御所が京都市中心部にあり、その広大な敷地は京都御苑と呼ばれ市民の憩いの場となっている。

●室町(むろまち)ステークス
 室町は、京都市中央部を南北に通じる道路の名称。北は北山通から南は久世橋通までを指す。三条通りとの交差点付近は交通の便がよく、西陣にも近いことから繊維問屋が集中している。今出川通の北側には、「花の御所」と呼ばれた室町幕府が置かれた。

【第7日】 10月21日(日)
●かえで賞
 かえでは、カエデ科カエデ属の総称。世界中に数多くの種が存在し、分布している。日本で一般的に植えられているのは、イロハモミジ類であり、秋には葉が紅く色づく。名は、葉の形が蛙の手に似ていることから名付けられたと言われている。花言葉は「遠慮」「自制」。

●北野(きたの)特別
 北野は、京都市上京区の地名。付近には学問の神様として信仰を集める菅原道真を祀る北野天満宮があり、受験シーズンには多くの合格祈願者が訪れる。毎月25日には縁日が開かれ、1月の初天神、12月の終い天神は特に参拝者で賑わう。また、梅の名所としても有名で、菅原道真の命日である2月25日には梅花祭が開かれる。

●桂川(かつらがわ)ステークス
 桂川は、丹波山地の東端を水源とし、亀岡盆地、保津峡、京都盆地を経て大山崎付近で宇治川・木津川と合流し、淀川となって大阪湾に注ぐ河川。京都市西部を流れ、周辺には松尾大社や桂離宮など名所旧跡も多い。かつては友禅染にも利用されていた。

●菊花賞(GI)
 本競走は、イギリスの『セントレジャー』に範をとり、昭和13年に『京都農林省賞典4歳呼馬競走』として創設された。23年より現在の名称になり、距離と施行場は第1回から変わることなく(スタンド改築工事により阪神競馬場で施行された54年を除く)今日まで受け継がれてきている。
 3歳馬競走の最高峰に位置する5大クラシックレースの一つであり、皐月賞、東京優駿(日本ダービー)に続く三冠の最終関門となっている。本競走は「最も強い馬が勝つ」と言われ、二度にわたる坂越え、3,000mの距離を乗り切るスタミナとスピードを兼ね備えた馬だけに栄冠が与えられる。
 競走名の「菊花」は菊の花の意。菊はキク科キク属の多年草。世界中に1万種以上あるといわれている。色や形は種類によって多岐に渡る。観賞用だけでなく、食用としても用いられる。花言葉は、「高貴」。

●観月橋(かんげつきょう)ステークス
 観月橋は、京都市伏見区の宇治川に架かる橋。京都と奈良を結ぶ大和街道に架けられた。古くは桂橋といい、豊臣秀吉の伏見城築城時に豊後大友氏に命じて架け替えられた際、豊後橋と呼ばれるようになった。その後、幕末期の「鳥羽・伏見の戦い」で焼失したが、明治時代に再建され、秀吉の月見の伝説にちなみ、観月橋と名づけられた。

【第8日】 10月27日(土)
●萩(はぎ)ステークス
 萩は、マメ科ハギ属の落葉低木の総称。葉は3枚の小葉からなる複葉で楕円形。秋には紅紫色の蝶形花を対生状につける。秋の七草の1つでもある。花言葉は「思い」「思案」。

●西陣(にしじん)ステークス
 西陣は、京都市上京区の今出川大宮を中心にとして、北は鞍馬口通、南は一条町、東は新町通、西は千本通に及ぶ地域の総称。名は応仁の乱のとき、西軍の山名宗全が陣を置いたことに由来する。西陣織で有名。

●毎日放送賞スワンステークス(GII)
 本競走は、昭和33年に4歳以上1,800mのハンデキャップ戦として創設された競走。変遷を経て、59年の番組改革で1,400mの重賞競走となった。また、施行時期も春から秋に変更となった。
 競走名のスワン(Swan)は、英語で「白鳥」の意味。京都競馬場の馬場中央の池を泳ぐ白鳥は同競馬場のシンボルであり、現在は約60羽が生息している。
 毎日放送は、大阪に本社を置く放送局。略称はMBS。ラジオはJRNとNRN系列で昭和26年から、テレビはTBS系列で34年から放送を開始している。本競走は、同社から寄贈賞を受けて施行される。

【第9日】 10月28日(日)
●北國新聞杯
 北國新聞社は、石川県金沢市に本社を置く新聞社。明治26年(1893)の創刊。本競走は、同社から寄贈賞を受けて施行される。

●長岡京(ながおかきょう)ステークス
 長岡京は、京都府南西に位置する市。昭和24年に新神足、海印寺、乙訓の3村が合併して長岡町となり、47年に市制施行。京都盆地西部、桂川西岸の沖積地と丘陵地を占め、乙訓たけのこで知られる。地名は延暦3年(784)に桓武天皇が造営した長岡京に由来し、真言宗の乙訓寺、長岡天満宮、西山浄土宗総本山の光明寺がある。

●カシオペア(Cassiopeia)ステークス
 カシオペアは、北の空に見られる星座。北斗七星とともに北極星を探す指標となる星座として知られている。星座の形がM型やW型に見えたりすることから「山形星」「錨星(いかりぼし)」とも呼ばれる。名前はギリシャ神話に登場する古代エチオピア王妃のカシオペイアに由来する。カシオペイアは、自分の娘の美貌を誇りすぎたことで、海神ポセイドンの怒りに触れ、海で休息することが許されず、北極星の周りをまわり続ける星座となったと伝えられている。