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平成4年(1992年)第43回毎日王冠(GII)優勝馬
GI2勝の喜劇王 ダイタクヘリオス
平成4年 第43回毎日王冠
平成4年 第9回マイルチャンピオンシップ
 ダイタクヘリオスは、およそ1番人気の似合わない馬であった。
 頭を高く上げ、歯を剥きながら掛かり気味に先行し、最後は脚色いっぱいになってゴールに飛び込むのが、彼なりのスタイル。ツボにはまれば恐ろしく強いが、後続の餌食になることも少なくなく、本命の支持に応えたのは旧3歳時の1度だけ。人気に応えるよりも、お高いエリートホースを蹴散らす方が断然、はまり役だった。
 ダイタクヘリオスはまた、牝馬(おんな)泣かせの馬でもあった。
 最も有名な逸話は平成3年の高松宮杯だろう。良血牝馬ダイイチルビーが祖母イットー、母ハギノトップレディに次ぐ母仔3代制覇をかけて臨んだ大一番で、無粋にも1番人気のヒロインから主役の座を奪ってしまったのである。彼にしてみれば安田記念で後塵を拝したダイイチルビーに借りを返した格好だが、人々の記憶には、競馬史に残る快挙を阻止したレースとして強く刻まれた。さらに、彼が保持するマイルチャンピオンシップ2年連続優勝の実績も、前述のダイイチルビー(平成3年)とシンコウラブリイ(平成4年)を退けてのもの。成績にムラはあっても、美女の前ではビシッと決める心憎い奴だった。
 そして、最後まで能力の底は見せなかった。
 彼が一介のマイラーでなかったことは、日本レコードで勝った平成4年の毎日王冠が証明している。馬場入りではイレ込むあまり岸滋彦騎手を振り落としてヒヤリとさせたが、レースではしっかり折り合い、サクラユタカオーの記録を破る好時計で秋の天皇賞へ名乗りをあげた。しかも驚くべきはその天皇賞だった。ここを大目標と定めていた陣営の意図に反し、是が非でも逃げたいメジロパーマーとやり合って前半1000メートル57秒5の暴走劇を熱演。普通なら両馬ともに潰れるパターンだが、彼は3コーナー過ぎで宿敵を馬群に沈めると、「オレが勝った!」と言わんばかりの勢いで単騎直線に乗り込み、残り200メートル地点まで先頭を死守したのである(その後、一気に後続に交わされはしたが)。もしもマイペースで行けていたら、歴史は変わっていただろうか? 答は神のみぞ知るところだが、梅田康雄調教師は後に「彼の強さが一番出ていたレースではないでしょうか」と述懐している。
 底抜けの明るさを振りまきながら、かくも様々なドラマを演じた“エンターテイナー”ダイタクヘリオス。数いる名馬のなかでも稀少な個性派であった。さて、息子のダイタクヤマトも後にスプリンターズSを最低人気で逃げ切って人々を驚かすのだが……それはまた別の話である。
ダイタクヘリオス
牡 黒鹿毛 昭和62年4月10日生
調教師 梅田康雄 馬主 中村雅一氏

ビゼンニシキ
1981 栗
ダンデイルート Luthier
Dentrelic
ベニバナビゼン ミンスキー
カツハゴロモ

ネヴアーイチバン
1971 黒鹿
ネヴアービート Never Say Die
Bride Elect
ミスナンバイチバン ハロウエー
スタイルパツチ
 通算 35戦10勝
年月日 レース名 距離 人気 着順 タイム 斤量 騎手
平1.10. 7 京都 新馬 1400 3 3 1:24.7 52 岸  滋彦
10.21 京都 新馬 ダ1200 1 2 1:14.0 52 岸  滋彦
10.29 京都 新馬 1600 3 1 1:36.3 52 岸  滋彦
11.11 京都 デイリー杯3歳SGII 1400 6 4 1:23.8 54 岸  滋彦
12. 9 阪神 さざんか賞400万下 1400 1 1 1:22.9 54 田島 良保
12.17 阪神 阪神3歳SGI 1600 4 2 1:35.7 54 武   豊
2. 1.14 京都 日刊スポーツ賞シンザン記念GIII 1600 4 2 1:36.1 55 岸  滋彦
2.11 阪神 きさらぎ賞GIII 2000 4 6 2:05.2 56 岸  滋彦
3.25 中山 フジテレビ賞スプリングSGII 1800 8 11 1:51.3 56 岸  滋彦
4.14 中山 クリスタルCGIII 1200 2 1 1:09.0 55 岸  滋彦
5.13 京都 葵S 1400 2 1 1:23.6 59 岸  滋彦
6. 3 東京 ニュージーランドT4歳SGII 1600 1 2 1:35.1 56 岸  滋彦
11.18 京都 マイルチャンピオンシップGI 1600 12 17 1:35.5 55 田島 良保
12. 2 中京 シリウスS 1200 3 4 1:10.3 58 上野 清章
12.16 中山 スプリンターズSGI 1200 4 5 1:08.5 55 岸  滋彦
3. 2. 3 京都 淀短距離S 1200 2 4 1:09.8 56 岸  滋彦
2.24 中京 読売マイラーズCGII 1700 4 1 R1:41.2 56 武   豊
3.17 中山 ダービー卿チャレンジTGIII 1200 1 4 1:09.5 57 岸  滋彦
4.21 東京 京王杯スプリングCGII 1400 5 6 1:22.2 57 岸  滋彦
5.12 東京 安田記念GI 1600 10 2 1:34.0 57 岸  滋彦
6.23 中京 CBC賞GII 1200 2 5 1:11.4 58 岸  滋彦
7. 7 中京 高松宮杯GII 2000 5 1 1:59.4 58 加用 正
10. 6 東京 毎日王冠GII 1800 5 2 1:46.2 58 岸  滋彦
10.26 京都 スワンSGII 1400 4 9 1:21.6 58 岸  滋彦
11.17 京都 マイルチャンピオンシップGI 1600 4 1 1:34.8 57 岸  滋彦
12.22 中山 有馬記念GI 2500 9 5 2:31.3 57 岸  滋彦
4. 3. 1 阪神 読売マイラーズCGII 1600 2 1 1:36.2 60 岸  滋彦
4.25 東京 京王杯スプリングCGII 1400 2 4 1:22.0 59 岸  滋彦
5.17 東京 安田記念GI 1600 1 6 1:34.2 57 岸  滋彦
6.14 阪神 宝塚記念GI 2200 2 5 2:20.6 57 岸  滋彦
10.11 東京 毎日王冠GII 1800 4 1 R1:45.6 59 岸  滋彦
11. 1 東京 天皇賞(秋)GI 2000 3 8 1:59.2 58 岸  滋彦
11.22 京都 マイルチャンピオンシップGI 1600 2 1 R1:33.3 57 岸  滋彦
12.20 中山 スプリンターズSGI 1200 1 4 1:08.1 57 岸  滋彦
12.27 中山 有馬記念GI 2500 7 12 2:34.8 56 岸  滋彦
※レース名は当時の表記による 
 
 2006.10.7 レーシングプログラム掲載


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