注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
2016年が3連単4250円、2017年が3連単8560円、2018年が3連単5020円と、近年の阪神ジュベナイルフィリーズは堅い決着が続いている。3連単が発売されるようになった2004年以降の過去15回を振り返ってみても、3連単の配当が100万円を超えたのは2012年のみ、10万円を超えたのもその2012年と2005年の2回だけである。今年も前評判の高い馬が順当に上位を占めるのだろうか、それとも意外な伏兵が高額配当決着を演出するのだろうか。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭中26頭は、“JRAのレース”において4着以下に敗れた経験のない馬だった。一方、この経験があった馬は3着内率4.0%と苦戦している。過去の戦績を比較する際は、4着以下に敗れたことのない馬を高く評価した方がよさそうだ。〔表1〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-3-1-95 | 0% | 3.0% | 4.0% |
なし | 10-7-9-55 | 12.3% | 21.0% | 32.1% |
過去10年の3着以内馬30頭中25頭は、“JRAの1600メートル以上のレース”において優勝経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率5.3%と苦戦している。1600メートル未満のレースしか勝ったことがない馬は評価を下げるべきだろう。〔表2〕
優勝経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-8-7-61 | 11.6% | 20.9% | 29.1% |
なし | 0-2-3-89 | 0% | 2.1% | 5.3% |
前走の距離別成績を見ると、1頭しか該当馬がいない「2000メートル」を除くと、勝率・連対率・3着内率の高さはいずれも「1800メートル」「1600メートル」「1400メートル」「1200メートル」の順となっている。臨戦過程を比較する際は、前走の距離が長かった馬を高く評価したい。〔表3〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1200m | 0-0-0-18 | 0% | 0% | 0% |
1400m | 3-4-5-64 | 3.9% | 9.2% | 15.8% |
1600m | 5-5-5-60 | 6.7% | 13.3% | 20.0% |
1800m | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
2000m | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬30頭中27頭は、前走との間隔が「中3週以上」だった。一方、「中2週以内」だった馬は3着内率6.4%と苦戦している。前走との間隔に余裕がない馬は、過信禁物と見ておいた方がよさそうだ。〔表4〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中2週以内 | 1-1-1-44 | 2.1% | 4.3% | 6.4% |
中3週以上 | 9-9-9-106 | 6.8% | 13.5% | 20.3% |
過去6年の3着以内馬18頭中17頭は、通算出走数が「2、3戦」だった。2012年以前は「1戦」や「4戦以上」の馬も好走していたが、近年の傾向を重視するならば、キャリア「2、3戦」の馬が中心と見るべきだろう。〔表5〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
2、3戦 | 6-5-6-47 | 9.4% | 17.2% | 26.6% |
4戦以上 | 0-1-0-35 | 0% | 2.8% | 2.8% |
過去6年の優勝馬6頭は、いずれも前走の単勝人気が「2番人気以内」だった。臨戦過程を比較する際は、前走での単勝人気にも注目しておきたい。また、この6頭は“JRAのレース”において3着以下に敗れた経験がなかった点、“JRAの1600メートル以上のレース”において優勝経験があった点、前走の距離が1400メートル以上だった点、通算出走数が2、3戦だった点も共通している。〔表1〕、〔表2〕、〔表3〕、〔表5〕で挙げた傾向も考慮した方がよさそうだ。〔表6〕
(伊吹 雅也)
年度 | 優勝馬 | 前走の単勝人気 | “JRAのレース”における最低着順 | “JRAの1600メートル以上のレース”における最高着順 | 前走の距離 | 通算出走数 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013年 | レッドリヴェール | 2番人気 | 1着(2戦2勝) | 1着(札幌2歳Sほか) | 1800m | 2戦 |
2014年 | ショウナンアデラ | 1番人気 | 2着(2歳新馬) | 1着(2歳未勝利) | 1400m | 3戦 |
2015年 | メジャーエンブレム | 1番人気 | 2着(アルテミスS) | 1着(アスター賞ほか) | 1600m | 3戦 |
2016年 | ソウルスターリング | 2番人気 | 1着(2戦2勝) | 1着(アイビーSほか) | 1800m | 2戦 |
2017年 | ラッキーライラック | 2番人気 | 1着(2戦2勝) | 1着(アルテミスSほか) | 1600m | 2戦 |
2018年 | ダノンファンタジー | 1番人気 | 2着(2歳新馬) | 1着(2歳未勝利) | 1400m | 3戦 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。