今週の注目レース

エリザベス女王杯(GⅠ)

京都競馬場 2200メートル(芝・外)定量 (牝) 3歳以上オープン

出走馬情報

注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。

ラヴズオンリーユー

牝3歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ラヴズオンリーミー
  • 母の父:Storm Cat
ここに注目!

右前脚の炎症で秋華賞への出走を見送り、本レースに目標を切り替えて調整されてきた。幸い症状は軽度だったようで、調教の動きは躍動感十分。馬体にも幅が出ており、仮に大きな体重増があったとしても、それは成長分と考えてよさそうだ。

2016年のドバイターフ(G1・UAE)を勝ったリアルスティールを全兄に持つ良血馬として、デビュー前から注目されていたが、4戦無敗でGⅠ馬となった本馬の足跡は、偉大な兄を超える可能性を感じさせるほどだ。兄よりも走りが柔らかく、末脚の切れもあるというのが陣営の見立てで、実際に過去の4戦全てで出走馬中最速の推定上がり3ハロンタイムをマーク。馬群のバラけやすい京都・芝の外回りコースなら、これまで以上のパフォーマンスを披露する可能性もあるだろう。課題があるとすれば、予定されていた秋華賞を使えず、6か月弱の休み明けで挑む点だが、休養明けでの好走が珍しいことではなくなった昨今の状況を考えれば、大きなマイナス材料にはならないはずだ。

クロノジェネシス

牝3歳

調教師:斉藤崇史(栗東)

  • 父:バゴ
  • 母:クロノロジスト
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

休み明けでの秋華賞(1着)挑戦は当初のスケジュール通りで、それも2走目でエリザベス女王杯を迎えるためのプランニングだった。前走後の乗り出しも早く、この馬としては短めのレース間隔でも問題はなさそう。上積み十分の状態で今回のレースを迎えられるだろう。

名牝フサイチエアデールを輩出したラスティックベルを祖に持つ母系は、非常に優秀。今春のヴィクトリアマイルを制したノームコア(父ハービンジャー)は本馬の半姉で、この血統は成長力に富むタイプであることでも知られている。3着だった前々走のオークス以来約5か月ぶりで臨んだ前走・秋華賞(1着)時の馬体重は、20キログラム増の452キログラムだったが、太め感はまるでなかった。2歳時から安定したパフォーマンスを見せてきた馬だが、それは高い資質があればこそ。これから成長のピークを迎えてきそうな雰囲気もあるだけに、他世代の馬と初対戦になる今回の1戦でも、互角以上の走りが期待できそうだ。

スカーレットカラー

牝4歳

調教師:高橋亮(栗東)

  • 父:ヴィクトワールピサ
  • 母:ヴェントス
  • 母の父:ウォーエンブレム
ここに注目!

東京へ輸送しても8キログラム増だった前走時の472キログラムは、キャリア最高の馬体重。デビュー時から30キログラム以上の増加は成長力の表れと考えてよく、実際に肉付きが明らかに変わっている。さらなる体重増があったとしても、気にしなくていいはずだ。

前走の府中牝馬Sで初の重賞タイトルを獲得。それも、上がり3ハロン33秒2(以下推定)という、素晴らしい瞬発力を見せての追い込み勝ちだった。レースの上がり3ハロンタイムが34秒3、2番目に速い馬がサトノガーネット(8着)の33秒7であったことを考慮すれば、1頭だけ次元の違う切れを見せたことがわかるだろう。どちらかと言えば勝ち味に遅いタイプで、前走の勝利でようやく3勝目。以前は速い脚を使う馬ではなかったはずだが、振り返れば前々走のクイーンS(2着)でも出走馬中最速の上がり3ハロン33秒4をマークしていた。4歳秋を迎え、一気に充実期に入っているのであれば、GⅠの舞台でも期待は大きい。

ラッキーライラック

牝4歳

調教師:松永幹夫(栗東)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:ライラックスアンドレース
  • 母の父:Flower Alley
ここに注目!

前走時の馬体重は過去最高の522キログラム。しかし、腹回りをすっきりと見せた体に太め感はなく、以前から発達していた胸前とトモのボリュームは増した印象があった。今回は京都への当日輸送。大幅に馬体重を減らすくらいなら、さらに増えている方がいいのかもしれない。

無傷の3連勝で一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズを制し、同年度のJRA賞最優秀2歳牝馬を受賞。当時の勢いを思えば、最後の勝利が昨年のチューリップ賞で、すでに1年半以上も勝ち星から遠ざかっている現在の状況は意外だが、成績自体はピークを過ぎた馬のそれではない。前走の府中牝馬Sでも勝ったスカーレットカラーから0秒3差の3着に入っており、展開ひとつで逆転が可能な差だったはずだ。2歳時の成績が突出しているために忘れがちだが、早期出産が珍しくなくなった現在の生産界において、4月3日は遅生まれの部類と言っていい。一つの勝利をきっかけにして、さらなる飛躍があっても不思議はないはずだ。

クロコスミア

牝6歳

調教師:西浦勝一(栗東)

  • 父:ステイゴールド
  • 母:デヴェロッペ
  • 母の父:ボストンハーバー
ここに注目!

府中牝馬Sからエリザベス女王杯に臨むローテーションは3年連続。長距離輸送のある東京と当日輸送の京都の違いもあるだろうが、これまでの2回はエリザベス女王杯(共に2着)で4キログラム体重を増やしている。今年も、数字の変化に注目してみると面白そうだ。

一昨年はモズカッチャンにクビ差、昨年はリスグラシューに同じくクビ差。惜しいところで逃してきたタイトルが今回のエリザベス女王杯で、今回は3度目の正直を目指しての参戦となる。これまでの結果から、このコース設定への高い適性を持っていることは間違いないが、今春のヴィクトリアマイルでも勝ったノームコアから0秒1差の3着と好走したように、牝馬限定のGⅠでは単純に能力そのものが上と考えることもできるはずだ。晩成型のステイゴールド産駒で、398キログラムからのスタートだった馬体重も、440キログラム台まで成長。6歳の秋を迎えたが、まだまだピークの状態を維持していると考えていいだろう。

フロンテアクイーン

牝6歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:メイショウサムソン
  • 母:ブルーボックスボウ
  • 母の父:サンデーサイレンス
ここに注目!

関東圏での競馬が多く、京都コースの経験はGⅠの2戦だけ。昨年の本レース(7着)では長距離輸送で馬体を減らすことはなかったが、今回も当日のパドックはしっかりとチェックしたい。距離の克服もポイントになりそうだ。

父メイショウサムソンは一瞬の切れではなく息の長い末脚で勝利を重ねた馬だが、本馬もその特徴を受け継いでいるようで、瞬発力勝負になりやすい牝馬限定のレースでは、どうしても惜敗が多くなる印象がある。前走の府中牝馬Sでも、勝ったスカーレットカラーの決め手に屈して0秒2差の2着。これがキャリア28戦で実に10度目の2着だった。牝馬の頂上決戦になるエリザベス女王杯でも瞬発力は必要だが、一方で、過去10年の本レースでは、推定上がり3ハロンタイムが出走メンバー中4位以下の馬が4勝を挙げている事実もある。決め手が必要な東京コースのGⅠよりもチャンスはあるのかもしれない。

ポンデザール

牝4歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ジョコンダⅡ
  • 母の父:Rossini
ここに注目!

過去10年のエリザベス女王杯において、前走で重賞以外のレースを走っていた馬の勝利はなく、2着も2013年ラキシスの1度だけ。前走でオープン特別を勝った本馬も、データ的には難しいチャレンジと言えるのかもしれない。GⅠのスピードについていけるかも鍵になる。

2016年の香港ヴァーズ(G1・香港)と2017年の宝塚記念を制したサトノクラウン(父Marju)の半妹。本馬は3歳8月にようやく未勝利クラスを勝ち上がったが、前走のオープン特別・丹頂S(札幌・芝2600メートル)まで4連勝をマークして、一気にGⅠの舞台まで上り詰めてきた。優秀な母系もさることながら、長距離レースへの高い適性を誇り、なおかつ成長力にも富む父ハーツクライの偉大さをあらためて感じさせる馬と言えそうだ。もちろん、格上挑戦だった前走が初めてのオープンクラス挑戦で、重賞を走った経験すらない。最高峰のGⅠの舞台で力が通用するかは未知数だが、それも含めて魅力のある挑戦と言えるだろう。

センテリュオ

牝4歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:アドマイヤキラメキ
  • 母の父:エンドスウィープ
ここに注目!

それまでより積極的な競馬をした影響もあったのだろうが、前走の新潟記念(7着)は完全な切れ負けという印象を受けたので、じっくりと脚をためる形のほうが合っているようだ。京都コースは3戦して1勝、2着2回で、相性は悪くない。

全兄は、2014年のきさらぎ賞とチャレンジCを勝ち、オーストラリアへ移籍後にG1を2勝したトーセンスターダム。近親に2009年の天皇賞(秋)などを制したカンパニー、2011年の天皇賞(秋)を勝ったトーセンジョーダンをはじめ多数の活躍馬がいる母系の出身で、本馬も当然ながらデビュー時から期待が大きかった馬だ。全11戦のうち8戦を1番人気で走り、通算成績は〔4・4・0・3〕と堅実な成績を残しているが、気がかりなのは、着外の3戦は全て重賞だったこと。3歳秋のローズSが7着、前々走のマーメイドSが4着、前走の新潟記念では7着と伸びを欠いている。さらにレベルの上がるGⅠでどこまで走れるのか、試金石の一戦となりそうだ。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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