注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
昨年の勝ち馬アドマイヤマーズが暮れの朝日杯フューチュリティS、翌春のNHKマイルCを制して現3歳世代のマイル王に輝いたように、未来の栄冠に夢馳せる2歳馬が、京都マイルを舞台にしのぎを削る一戦だ。2014年からは開催時期が約1か月遅くなり、11月に行われるようになっているが、ここでは10月に行われていた時期も含めた過去10年の結果を分析する。
過去10年の出走馬のデビュー戦での着順別に成績を調べると、「1着」組が7勝を挙げるなど、3着以内馬30頭中17頭を占めている。しかしながら、「6から9着」組が連対率で42.9%という高い数値をマークし、勝率では「5着」組と「6から9着」組が上位の数値で並んでいる。デビュー戦で5着以下に敗れていた馬であっても、割り引いて考える必要はなさそうだ。〔表1〕
デビュー戦の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 7-5-5-40 | 12.3% | 21.1% | 29.8% |
2着 | 0-0-3-13 | 0% | 0% | 18.8% |
3着 | 1-1-2-9 | 7.7% | 15.4% | 30.8% |
4着 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
5着 | 1-1-0-5 | 14.3% | 28.6% | 28.6% |
6〜9着 | 1-2-0-4 | 14.3% | 42.9% | 42.9% |
10着以下 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
そこで、デビュー戦「1着」馬57頭について、そのデビュー戦の2着馬とのタイム差別に成績を調べると、優勝馬7頭中6頭はデビュー戦で「0秒2から0秒5」の差をつけていた。デビュー戦で1着だった馬は、そのレースの2着馬とのタイム差もチェックしておきたい。〔表2〕
タイム差 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
0秒1以内 | 1-2-2-16 | 4.8% | 14.3% | 23.8% |
0秒2〜0秒5 | 6-3-2-21 | 18.8% | 28.1% | 34.4% |
0秒6以上 | 0-0-1-3 | 0% | 0% | 25.0% |
過去10年の出走馬について、デビュー戦の4コーナーでの位置別に成績をまとめると、「10番手以下」組が連対率と3着内率でトップとなっている。しかし、「1から3番手」組が7勝を挙げ、3着以内馬30頭中16頭を占めており、同組はここ4年連続で勝利を飾っている。〔表3〕
4コーナーの位置 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜3番手 | 7-3-6-38 | 13.0% | 18.5% | 29.6% |
4〜6番手 | 0-4-3-18 | 0% | 16.0% | 28.0% |
7〜9番手 | 2-1-0-15 | 11.1% | 16.7% | 16.7% |
10番手以下 | 1-2-1-7 | 9.1% | 27.3% | 36.4% |
地方競馬デビュー | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の出走馬について、デビュー戦を除くレースでの最低着順別成績をまとめると、キャリア2戦以上の馬の中では、「1着」と「2着」の2組、つまり“デビュー戦以外では3着以下がない”という馬しか優勝していない。逆に、デビュー戦以外で6着以下があった馬は連対がなく苦戦気味だ。その一方で、「キャリア1戦のみ」の馬が4勝を挙げるなど、3着以内に8頭入っている。キャリア2戦目以降に大敗した経験のある馬よりは、キャリア1戦馬を重視した方がよさそうだ。〔表4〕
(河野 道夫)
最低着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 5-3-2-18 | 17.9% | 28.6% | 35.7% |
2着 | 1-1-2-5 | 11.1% | 22.2% | 44.4% |
3着 | 0-1-1-6 | 0% | 12.5% | 25.0% |
4着 | 0-2-1-3 | 0% | 33.3% | 50.0% |
5着 | 0-1-1-5 | 0% | 14.3% | 28.6% |
6〜9着 | 0-0-1-17 | 0% | 0% | 5.6% |
10着以下 | 0-0-0-9 | 0% | 0% | 0% |
キャリア1戦のみ | 4-2-2-19 | 14.8% | 22.2% | 29.6% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。