昨年の2着馬モズアスコットは、3走後の安田記念で自身初のGⅠ制覇を成し遂げた。また、2014年の優勝馬コパノリチャードは次走で高松宮記念を、2016年の優勝馬ミッキーアイルは同年秋のマイルチャンピオンシップを勝っている。さらに、2013年の優勝馬ロードカナロアが同年に国内外のGⅠを4勝したのも、まだまだ記憶に新しいところだ。ビッグレースに直結する重要な一戦を展望すべく、過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみよう。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中19頭は、“JRAのGⅡ・JpnⅡ、かつ1400メートルのレース”において4着以内に入った経験のある馬だった。該当馬は3着内率も32.2%と優秀な水準に達している。今回と同じ距離、かつ今回より格付けの高いレースで4着以内に入ったことがある馬は高く評価したい。〔表1〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 5-8-6-40 | 8.5% | 22.0% | 32.2% |
なし | 5-2-4-90 | 5.0% | 6.9% | 10.9% |
なお、“JRAのGⅡ・JpnⅡ、かつ1400メートルのレース”において4着以内に入った経験がなかった馬のうち、馬番が「1から4番」の馬は3着内率37.5%と優秀な成績を収めているものの、「5から18番」の馬は3着内率2.6%と苦戦している。実績と枠順に注目すべきレースといえそうだ。〔表2〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜4番 | 4-2-3-15 | 16.7% | 25.0% | 37.5% |
5〜18番 | 1-0-1-75 | 1.3% | 1.3% | 2.6% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は、通算出走数が「21戦以内」だった。一方、「22戦以上」だった馬は3着内率7.1%と苦戦している。キャリアが豊富過ぎる馬は過信禁物と見るべきだろう。〔表3〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
21戦以内 | 9-8-7-51 | 12.0% | 22.7% | 32.0% |
22戦以上 | 1-2-3-79 | 1.2% | 3.5% | 7.1% |
過去4年の3着以内馬延べ12頭中9頭は、前走の馬体重が「490キログラム未満」だった。一方、「490キログラム以上」だった馬は3着内率9.1%と不振だ。2014年以前に比べると、近年は比較的馬体重のある馬が苦戦しているので、そういった馬の評価に注意すべきかもしれない。〔表4〕
前走の馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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490kg未満 | 4-2-3-22 | 12.9% | 19.4% | 29.0% |
490kg以上 | 0-2-1-30 | 0% | 6.1% | 9.1% |
過去4年の3着以内馬延べ12頭中10頭は、“前走が国内のレース、かつそのレースでの単勝人気が5番人気以内”だった。該当馬は3着内率も40.0%と優秀な水準に達している。近年の傾向を重視するならば、前走での単勝人気にも注目した方がよさそうだ。〔表5〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5番人気以内 | 3-3-4-15 | 12.0% | 24.0% | 40.0% |
6番人気以下 | 0-1-0-37 | 0% | 2.6% | 2.6% |
計 | 3-4-4-52 | 4.8% | 11.1% | 17.5% |
過去4年の優勝馬4頭は、いずれも通算出走数が23戦以下だった。〔表3〕で挙げた傾向からもわかる通り、基本的にはキャリアの浅い馬を重視すべきレースである。ただし、年齢が4歳だった馬は2014年のコパノリチャードを最後に優勝例がない。若い馬は過信禁物と見るべきだろう。なお、過去4年の優勝馬4頭は、前走の馬体重が490キログラム未満だった点も共通している。〔表6〕
(伊吹 雅也)
年度 | 優勝馬 | 通算出走数 | 年齢 | 前走の馬体重 |
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2015年 | ダイワマッジョーレ | 23戦 | 6歳 | 442kg |
2016年 | ミッキーアイル | 15戦 | 5歳 | 480kg |
2017年 | トーキングドラム | 20戦 | 7歳 | 480kg |
2018年 | ダイアナヘイロー | 18戦 | 5歳 | 478kg |
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