今週の注目レース

阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)

阪神競馬場 1600メートル(芝・外)馬齢 (牝) 2歳オープン

出走馬情報

シェーングランツ

牝2歳

調教師:藤沢和雄(美浦)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:スタセリタ
  • 母の父:Monsun
ここに注目!

関西圏への長距離輸送が一番のポイントになるだろうが、前走時(東京)のパドックでの落ち着いた周回を見る限り、こなす可能性は高いと考えてよさそうだ。マイルでも勝っているが、血統背景と前走のレースぶりから、より長い距離に適性があるタイプかもしれない。

オークス馬の半姉ソウルスターリングは、一昨年の本レースも制しており、今回は姉妹制覇を目指しての1戦になる。姉との大きな違いは、父がスピードタイプのFrankelから、日本のリーディングサイヤー・ディープインパクトに替わっていること。マイル戦に適応するスピードは共通しているが、距離への融通はディープインパクトの方が利きそう。さらに、日本の馬場に対する適性も上のはずだ。前走のアルテミスSを制し、すでにクラシックの有力候補に挙げられている本馬だが、出走馬中最速の推定上がり3ハロンタイムで差し切った前走のようなパフォーマンスを再び見せられるようなら、阪神ジュベナイルフィリーズの姉妹制覇も現実味を帯びてくる。

ダノンファンタジー

牝2歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ライフフォーセール
  • 母の父:Not For Sale
ここに注目!

6月のデビュー戦では442キログラムだった馬体重が、前々走と前走では460キログラムに増加。近2走は長距離輸送がなかったこともあるが、夏場の休養でパワーアップしたのだろう。他馬よりも成長期間がある1月の早生まれ。そのアドバンテージを生かしたい。

3走前のメイクデビュー東京(芝1600メートル)は2馬身差の2着に敗れたが、勝ち馬は来週の朝日杯フューチュリティSで主役級の評価をされているグランアレグリア。本馬自身も1分33秒9という破格の走破時計をマークしており、その後の未勝利(阪神・芝1600メートル)とファンタジーSであっさりと勝利を飾ったのも当然の結果なのかもしれない。京都・芝1400メートルと阪神・芝1600メートルでは求められる適性も変わってくるが、それを意識してか、前走では無理にポジションを取りに行かず、道中で急がせないレース運びをしていた。最高の形で前哨戦を走れたことが、今回に生きてくるはずだ。グランアレグリアにリベンジを果たすためにも、まずは2歳牝馬の頂上決戦を制したい。

ビーチサンバ

牝2歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:クロフネ
  • 母:フサイチエアデール
  • 母の父:サンデーサイレンス
ここに注目!

繊細なタイプということもあり、前走のアルテミスS(2着)では東京への長距離輸送を懸念されたが、当日の馬体重はプラス2キログラムで、イレ込みもなかった。輸送をクリアできたのは、今後へ向けて好材料と言える。当日輸送の阪神なら、能力発揮への不安は少ないはずだ。

父はジャパンカップダートで圧勝劇を決めたクロフネ、母は重賞を4勝し、GⅠでの2着が3度もあるフサイチエアデール。この2頭は共に松田国英厩舎所属で活躍し、同厩舎で調教助手をしていた友道康夫調教師にとってもなじみの深い血統だ。2005年の朝日杯フューチュリティSを勝ったフサイチリシャールは本馬の全兄だが、父と同じ芦毛の兄がスピードの持続力をセールスポイントにした馬だったのに対し、母と同じ黒鹿毛の本馬は軽いフットワークで走り、末脚の切れを武器にするタイプ。同じ血統でもまるで違う特徴を持つ馬であることは、頭に入れておきたい。キャリア1戦で挑んだ前走のアルテミスSは1/2馬身差の2着に惜敗したが、資質の高さは示した。ここでも互角以上の走りができるはずだ。

クロノジェネシス

牝2歳

調教師:斉藤崇史(栗東)

  • 父:バゴ
  • 母:クロノロジスト
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

デビュー戦が小倉で2戦目が東京。どちらのレースでも長距離輸送を克服して勝ってきた。輸送距離が短くなる今回の方が負担は軽くなりそうで、外回りコースに必要なスタミナも持っている。あとは、マイル戦のスピードに対応できるかどうかだろう。

今年の紫苑Sを勝ったノームコア(父ハービンジャー)の半妹で、デビュー前から調教で見せる質の高い動きからも評判になっていた馬。牡馬を相手に2戦2勝の完璧な戦績も納得だが、上がり3ハロン32秒5(推定)をマークして勝った前走のオープン特別・アイビーS(東京・芝1800メートル)での勝ちっぷりはあまりにも鮮やかだった。今回のメンバーに入っても、主役級の活躍を期待できるだろう。母の父がクロフネで、祖母インディスユニゾンはフサイチエアデールの全妹。母系は今回のレースの有力馬であるビーチサンバと非常に似た血統と言える。この2頭がどのようなパフォーマンスを見せるかにも注目したいところだ。

レッドアネモス

牝2歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:ヴィクトワールピサ
  • 母:マチカネハヤテ
  • 母の父:サクラバクシンオー
ここに注目!

母の父サクラバクシンオー譲りのスピードも魅力だが、中山の坂でひと粘りできたパワーにも注目。同じく直線に坂のある阪神・芝コースは合うはずだ。強い負荷をかける調教をしてもテンションが上がらない馬。レース間隔は少し空いたが、万全の状態で出走できそうだ。

ハードな調教を課しても飼い葉食いの落ちないタフさがセールスポイント。メイクデビュー新潟(芝1600メートル)も前走の500万下・サフラン賞(中山・芝1600メートル)も長距離輸送のある遠征競馬だったが、最終追い切りまで調教の負荷を落とさずに臨めている。陣営が最も評価しているのもこの部分で、肉体面だけでなく、精神面も優れている証明と言えるだろう。初戦の着差は1/2馬身、前走の着差はクビと、これまで派手なパフォーマンスをしてきたわけではない。しかし、ハードな調教によって予想を超える成長をして頂点に立った名馬が過去に少なくないことを考えれば、本馬も同じ軌跡をたどる可能性は十分にある。今回のレースだけでなく、先々まで注目して損のない一頭と言えるだろう。

グレイシア

牝2歳

調教師:栗田徹(美浦)

  • 父:ダイワメジャー
  • 母:クーデグレイス
  • 母の父:ホワイトマズル
ここに注目!

テンションの高さが課題で、パドックでもうるさい面を見せる。長距離輸送がある今回は、落ち着いた状態で出走できるかどうかがポイントだろう。能力的には十分に通用するはず。頂上決戦でも、まずは自分自身との戦いになりそうだ。

メイクデビュー新潟(芝1400メートル)を6馬身差の逃げ切りで勝利し、2戦目の500万下・アスター賞(中山・芝1600メートル)では豪快な差し切り勝ち。自在なスタイルでの2連勝を評価されての1番人気だったことを考えれば、11着と大敗した前走のアルテミスSは不可解な敗戦と言えるものだった。馬群に気を使ったことが敗因であるとするならば、前走と同じ多頭数のレースになる今回も簡単な競馬にはならないはずで、馬群を考慮した調整やレース運びが必要になるだろう。ダイワメジャー産駒らしいスピードで押し切ったデビュー戦のような形が合う可能性もあるが、気性面の難しさもある馬。まずは、スタートをしっかりと決めることが重要になりそうだ。

プールヴィル

牝2歳

調教師:庄野靖志(栗東)

  • 父:Le Havre
  • 母:ケンホープ
  • 母の父:Kendargent
ここに注目!

前走時の馬体重が416キログラム。牝馬の中にあっても小柄で、軽い芝に適性がありそうな馬だ。京都での前走が好内容だったことで、今回は京都よりもタフとされる阪神へのコース替わりがポイント。特に、直線の急坂の克服が鍵になる。

父のLe Havreは現役時代に仏ダービー(G1)を勝った馬。JRAでデビューしたLe Havre産駒は本馬を含めて3頭いるが、そのいずれもが牝馬。ただ、父のフランスでの代表産駒であるアヴニールセルタンとラクレソニエールの2頭のクラシックホースが共に牝馬であることから、牝馬の大物を出す種牡馬と言えるのかもしれない。レースを経験するたびにパフォーマンスを上げていく本馬も、父の日本での代表産駒に育っていく可能性はあるだろう。好位からあっさりと突き抜けた前走の500万下・りんどう賞(京都・芝1400メートル)のような競馬ができれば、メンバーのレベルが高くなる今回でも互角の勝負ができるはずだ。

タニノミッション

牝2歳

調教師:中竹和也(栗東)

  • 父:Invincible Spirit
  • 母:Vodka
  • 母の父:Tanino Gimlet
ここに注目!

1戦1勝の立場で特別登録を行えば、抽選での出走になる可能性が高い。陣営はその状況を理解しながらも2勝目を狙いに行かず、本レースに絞って調整してきたことは注目に値する。前走時の馬体重が480キログラム。阪神の坂をこなせるだけのパワーを秘めていそうだ。

牝馬として64年ぶりの日本ダービー制覇を果たし、その後もジャパンカップなどGⅠを計7勝もした名牝ウオッカを母に持つ馬。本馬もデビュー前から注目されていたが、期待通りの強さでメイクデビュー東京(芝1600メートル)を快勝した。父Sea The Starsのタニノアーバンシー、父Frankelのタニノフランケルが共に4勝をマークするなど、母の産駒はそれなりに走っているのだが、偉大な母と並ぶような活躍はできていない。ただ、これまでで最もスピードのある種牡馬Invincible Spiritと配合された本馬は、きょうだいと比較して圧倒的にスピードと切れ味に秀でている印象。母と同じ1勝馬の立場で見事にGⅠ初制覇を飾るようなら、来春の主役候補に浮上することは間違いない。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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