今週の注目レース

エリザベス女王杯(GⅠ)

京都競馬場 2200メートル(芝・外)定量 (牝) 3歳以上オープン

出走馬情報

モズカッチャン

牝4歳

調教師:鮫島一歩(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:サイトディーラー
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

前哨戦として10月13日の府中牝馬Sへの出走を予定していたが、熱発の影響で予定を変更。ここは8月の札幌記念(3着)以来の実戦になる。乗り込みは十分に消化しているとはいえ、馬体重から当日の気配まで、しっかりとチェックする必要がありそうだ。

今年は3戦を消化して勝利なし。しかし、戦ってきた相手やレース内容などを考えれば、昨年よりもすごみを増したと思えるほどだ。勝負圏内には入れなかったのは、初めての海外遠征になったドバイシーマクラシック(G1・UAE。芝2410メートル)の6着だけ。海外遠征からの帰国初戦に加えて、スタートで出遅れる形になった前走の札幌記念では、サングレーザー(1着)、マカヒキ(2着)という牡馬の強敵を相手に互角の走りを見せて3着に好走した。牝馬限定のレースに出走するのは今年初めてで、エリザベス女王杯は昨年に勝ったレース。この舞台への適性の高さもすでに証明済みときている。連覇を達成すれば史上4頭目の快挙となるが、その可能性は十分にありそうだ。

リスグラシュー

牝4歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:リリサイド
  • 母の父:American Post
ここに注目!

成長を促すための放牧で馬体を減らしたことがあるなど、体重の管理が難しいタイプだが、東京まで輸送した前走は12キログラム増の460キログラムだった。キャリア最高馬体重が心身の成長を示すものなら、輸送距離の短い京都で走れる今回は前走以上の状態が期待できる。

2歳秋から一線級の舞台で走り続け、GⅠで4度の2着がある馬。3走前のヴィクトリアマイル(2着)では1番人気の支持を受けたほどだが、獲得タイトルで言えばGⅢの2勝だけ。そろそろビッグタイトルが欲しいところだ。前走の府中牝馬Sは、上がり3ハロン32秒6(推定)という素晴らしい末脚を駆使しながら、それ以上の走りを見せた同期のディアドラに次ぐ2着に惜敗。クビという着差以上の力量差を感じさせられた印象もあるが、その最大のライバルが今回は不在なら、メンバー的にもチャンスは十分と言えるだろう。課題は芝2200メートルの距離か。ハーツクライ産駒だが、2200メートル以上の距離では2戦してどちらも3着以内を外している。

カンタービレ

牝3歳

調教師:中竹和也(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:シャンロッサ
  • 母の父:Galileo
ここに注目!

長距離輸送のない関西圏の競馬が続いていることもあってか、一定の負荷を掛ける調教が可能になっている。馬体重こそほとんど変わっていなくても、オークス(13着)出走時とは中身が違うと判断していい。腹回りの薄さはこの馬の特徴なので、そこまで気にする必要はないはずだ。

先行抜け出しというスタイルが定着した感もあったが、末脚の切れを武器にするアーモンドアイ(1着)よりも後方からレースを運んで3着に好走した前走の秋華賞は、この馬の可能性を広げるという意味でも非常に価値の高い一戦になったと言えるだろう。マークした推定上がり3ハロンタイムは、アーモンドアイ、プリモシーン(7着)に次ぐもので、同33秒台をマークしたのもこの3頭だけ。騎乗した武豊騎手もレース後に、「脚をためれば最後は切れますね」とコメントしていた。父ディープインパクト、母の父ガリレオという血統構成ながら、3勝全てが芝1800メートルで、距離への課題が取り沙汰されてきたが、前走のような競馬ができれば、芝2200メートルの距離を克服できるかもしれない。

ノームコア

牝3歳

調教師:萩原清(美浦)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:クロノロジスト
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

それまでの先行策を取らず、中団前めで流れに乗る競馬をした前走(紫苑S1着)の内容は素晴らしかった。他世代の馬相手のGⅠでも能力は通用しそうだが、関西圏での出走は今回が初めて。長距離輸送を克服し、前走同様の状態で当日を迎えられるかどうかが鍵になる。

2歳7月の早い時期にデビューを果たしたのにも関わらず、重賞初制覇を飾った前走の紫苑Sがキャリア5戦目。決して無理をさせることのない陣営のスタンスは、秋華賞の優先出走権を獲得しながら、レースの疲れからの回復が遅れたことを理由にして同レースを回避したことからもわかる。初めてのGⅠ挑戦が他世代の馬との初対戦になるわけだが、この調整過程からも、状態面に関しての不安はないと考えていいだろう。祖母のインディスユニゾンはフサイチエアデールの全妹という良血馬で、そのフサイチエアデールは3歳秋のエリザベス女王杯で2着に好走している。父は昨年の勝ち馬を送り出しているハービンジャー。舞台適性の高い血統の魅力も大きい。

レッドジェノヴァ

牝4歳

調教師:小島茂之(美浦)

  • 父:シンボリクリスエス
  • 母:コロンバスサークル
  • 母の父:ホワイトマズル
ここに注目!

札幌の前々走と同じ馬体重で出走できた前走の京都大賞典(2着)は、栗東トレーニング・センターに滞在した効果が感じられた一戦だった。前走後は引き続き栗東滞在で調整。京都・芝コースも2度目で、全てにおいて経験値が増した今回はさらなる上積みが見込めそうだ。

3走前の1000万下・北海道150年記念(札幌・芝2600メートル)、前々走の1600万下・2018ワールドオールスタージョッキーズ第2戦(札幌・芝2000メートル)を連勝。充実著しいことは理解していたが、4コーナーでゴチャつくシーンがありながら、勝ち馬サトノダイヤモンドに1/2馬身差まで迫った前走の京都大賞典での2着により、GⅠでの好走が十分に可能なレベルまで達したと考えていいだろう。そのバックボーンにあるのは彼女の血統面。GⅠを3勝したマンハッタンカフェを輩出している母系は単に優秀なだけでなく、一度成長期に突入すると驚くほどのスピードで馬が変わっていくのが特徴。周囲のイメージを超える最近の成績は、それを証明するものだろう。

フロンテアクイーン

牝5歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:メイショウサムソン
  • 母:ブルーボックスボウ
  • 母の父:サンデーサイレンス
ここに注目!

京都・芝コースを走るのは、一昨年の秋華賞に続いて2度目。当時は14着と大敗を喫したが、本格化前のレースだったことを考慮すれば、それほど気にする必要はないだろう。回復した前走時の馬体重(474キログラム)を今回もキープして出走したいところだ。

前走の府中牝馬Sは勝ち馬に0秒1差の3着。上位の2頭との決め手の差を感じたレースだったのは確かだが、この馬の素晴らしさは条件を問わずに堅実に走るところ。4走前のターコイズS、3走前の中山牝馬S、前々走のクイーンSと重賞で3戦連続の2着を記録していた。その一方で勝ち切れない悩みも抱えており、これまでの全成績は〔2・9・3・8〕。これほどの実績を積みながら、勝ち星は2つにとどまっている。初の重賞タイトルがGⅠのビッグタイトルになるかどうか。流れに乗ったレース運びをし、競馬センスの高さを存分に生かす競馬ができれば、十分に達成可能と言えそうだ。

クロコスミア

牝5歳

調教師:西浦勝一(栗東)

  • 父:ステイゴールド
  • 母:デヴェロッペ
  • 母の父:ボストンハーバー
ここに注目!

410キログラム台で走ることもあった馬が、今年は430キログラム台で安定。小柄なステイゴールド産駒で見た目の迫力はそこまでないが、確かな成長過程を示していると考えていい。2着だった昨年以上のパフォーマンスも期待できそうだ。

昨年のエリザベス女王杯は府中牝馬Sを逃げ切っての参戦。勢いがあったのも確かだが、勝ったモズカッチャンとの着差はわずかにクビで、ミッキークイーン(3着)の強襲はしのぎ切っており、価値の高い2着だったはずだ。今年は4戦して3着以内に入っていないが、春にはUAE遠征を敢行し、夏も牝馬限定のクイーンSではなく、牡馬相手の札幌記念に挑戦(8着)した。昨年とは走っている舞台が明らかに違っており、その着順を鵜呑みにするのは危険だろう。自分で展開をリードできる脚質が武器で、ペース次第では好位で控える自在性も身につけている。直線先頭、もしくはそれに近い形で向くことができれば、簡単には止まらない。

スマートレイアー

牝8歳

調教師:大久保龍志(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:スノースタイル
  • 母の父:ホワイトマズル
ここに注目!

前走の京都大賞典(8着)は、12キログラムという大幅な馬体増。すでに成長する年齢ではなさそうなだけに、余裕が残っていたと解釈してよさそうだ。470キログラム前半くらいまで馬体を絞り、道中で折り合いがつくようなら、好勝負ができるだろう。

調教技術、レース後のケア技術などの進化により、以前よりもはるかに高齢馬が活躍する時代になったのは確か。だが、そのほとんどは種牡馬としてのニーズが微妙な成績の牡馬、もしくはせん馬であって、ディープインパクト産駒で重賞を4勝した実績十分の牝馬が8歳秋まで走っている例は珍しい。走ることに対するニーズがそれだけ高い馬と言えそうだが、昨年秋は京都大賞典を勝ち、エリザベス女王杯は6着ながら勝ち馬と0秒3差。強敵がそろっていた香港カップ(G1・香港。芝2000メートル)でも5着と気を吐いた。しかし、今年は全体的に成績がひと息。重賞を勝っている京都・芝コースでの復活を期待したいところだ。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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