今週の注目レース

札幌2歳ステークス(GⅢ)

札幌競馬場 1800メートル(芝)馬齢 2歳オープン

出走馬情報

クラージュゲリエ

牡2歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ジュモー
  • 母の父:タニノギムレット
ここに注目!

曽祖母フェアリードールからの牝系は今や広がりを見せており、トゥザヴィクトリーの全妹の祖母ビスクドールからも、アイスドール(JRA6勝)やオウケンビリーヴ(JRA・地方6勝)らが活躍。本馬の半兄プロフェット(父ハービンジャー)は本レースで2着の実績がある。

何と言っても前走7月29日のメイクデビュー札幌(芝1800メートル)が圧巻の勝ちっぷり。レース序盤は中団の位置取りだったが、3コーナーでは後方の位置取りに。超スローペースとあって厳しい形も、4コーナーで大外に持ち出されると鋭い伸び脚を披露した。最後は促す程度での2馬身差の楽勝で、このレースのラスト2ハロンのラップタイムは11秒3-11秒3。これを差し切ったのだから瞬発力は一級品で、2015年の札幌2歳Sで2着だった半兄プロフェット以上のスケールを感じさせる。キングカメハメハ産駒で、近親にもトゥザヴィクトリーやトゥザグローリーなどの活躍馬が並ぶ良血馬。先のビッグレースに向かうためにも、ここは通過点にしたい。

アフランシール

牝2歳

調教師:尾関知人(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ルシュクル
  • 母の父:サクラバクシンオー
ここに注目!

母の父サクラバクシンオーの活躍馬としてはキタサンブラックが有名だが、他のサンデーサイレンス系種牡馬との間にも、アデイインザライフやグリムなどの重賞勝ち馬を出している。本馬が勝てば、父にハーツクライを迎えての重賞初制覇だ。

とにかくセンスがいい。7月15日のメイクデビュー函館(芝1800メートル)は、前を見る位置で折り合いもスムーズ。直線に向くとしっかり伸びて、最後は流しながら2馬身差の完勝だった。騎乗した岩田康誠騎手も「すごく賢くて、優等生の走り。直線でもまだ余裕がありましたよ」と、将来性に太鼓判を押している。半姉のブランボヌール(父ディープインパクト)は2015年の函館2歳S、2016年のキーンランドCと芝1200メートルの重賞を2勝したが、父がハーツクライに替わった本馬はマイルから中距離が合いそうなイメージ。共通するのは、洋芝を得意とすることだろう。姉に続き、北海道での重賞初制覇が期待される。

ウィクトーリア

牝2歳

調教師:小島茂之(美浦)

  • 父:ヴィクトワールピサ
  • 母:ブラックエンブレム
  • 母の父:ウォーエンブレム
ここに注目!

母は初勝利から500万下クラスを3着、1着と2戦で勝ち上がって、続くフラワーCで重賞初制覇。半兄ブライトエンブレム(父ネオユニヴァース)は新馬、札幌2歳Sと無傷の2連勝で重賞ウイナーの仲間入り。妹も兄同様の“最短距離”でのタイトル奪取を狙う。

7月22日のメイクデビュー函館(芝1800メートル)は、大物感あふれる内容の勝利だった。最内1枠1番から主張してハナを取り、前半1000メートル通過タイム1分01秒3は新馬戦としては決して遅いペースではなかったが、それでいて上がり3ハロンを11秒7-11秒6-11秒6でまとめ、3馬身差の快勝。勝ち時計の1分48秒3は従来のものを1秒4も上回る2歳コースレコードだった。母ブラックエンブレムは2008年の秋華賞馬で、半兄ブライトエンブレムはデビュー2連勝で2014年の札幌2歳Sを制覇。ネオユニヴァース産駒のヴィクトワールピサを父に迎え、兄に血統構成が近い本馬には、このレースのきょうだい制覇がかかる。

ラブミーファイン

牝2歳

調教師:田所秀孝(栗東)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:ヤマノラヴ
  • 母の父:アグネスデジタル
ここに注目!

ジャスタウェイ産駒の稼ぎ頭は新馬戦、オープン特別・ダリア賞とデビュー2連勝しているアウィルアウェイ。2位が本馬で、3位が先週の新潟2歳Sで5着だったエイシンゾーンとなっている(8月26日終了時点)。

7月8日のメイクデビュー函館(芝1800メートル)は、稍重馬場でのレース。スローペースの2番手から、上がり3ハロンをメンバー中最速(推定)の末脚で押し切った。600メートルの距離短縮となった前走の函館2歳Sは、速いペースへの対応が不安視されたのか7番人気と評価を落としていたが、好スタートから難なく好位へ。勝ったアスターペガサスの末脚に最後は屈したが、ゴールまで脚色が衰えることなく、ハナ差の2着に粘り込んだ。今回は再び芝1800メートルとなるが、デビュー勝ちが示すように距離適性には何ら不安なし。初年度産駒が大活躍している父ジャスタウェイに重賞初タイトルを届けられるのか、注目だ。

ナイママ

牡2歳

調教師:田部和則(北海道)

  • 父:ダノンバラード
  • 母:ニシノマドカ
  • 母の父:ジャングルポケット
ここに注目!

父ダノンバラードは2017年にイタリア、2018年はイギリスで繋養されたが、今年2歳の初年度産駒が好調なことから、北海道のビッグレッドファームに“逆輸入”された。重賞初制覇となれば、父の種牡馬生活に何よりの後押しとなる。

ホッカイドウ競馬で2戦1勝の成績を残し、前走のオープン特別・コスモス賞(札幌・芝1800メートル)でJRAに初参戦。道中は中団から進み、向正面で好位に押し上げると、3コーナーからは追い通し。勝負どころの手応えは逃げる1番人気のアガラスに見劣りしたものの、直線での追い比べで勝負根性を発揮し、残り100メートル付近でアガラスを競り落とすと、最後は1馬身1/4差をつけて押し切った。最大の持ち味は持久力で、前走が稍重馬場だったように時計がかかる決着になれば、より持ち味が生きるタイプだろう。今回も、自分から動いてのスタミナ勝負に持ち込みたいところだ。再度のJRA勢撃破なるか。勝てば2016年のトラスト以来、2年ぶり4頭目の地方馬による優勝となる。

クリスタルバローズ

牡2歳

調教師:奥村武(美浦)

  • 父:ヴィクトワールピサ
  • 母:クロスバラード
  • 母の父:タイキシャトル
ここに注目!

母の父タイキシャトルは種牡馬の良さを引き出す。ハーツクライ産駒からはワンアンドオンリー、フジキセキ産駒からはストレイトガール、ダイワメジャー産駒からはレーヌミノルが出現。ヴィクトワールピサ産駒なら時計がかかる芝中距離はぴったりだ。

7月8日のメイクデビュー福島(芝1800メートル)は、互角のスタートからスムーズに2番手を確保。4コーナー手前で馬なりのまま先頭に立つと、後続の追い上げをしのいで押し切った。460キログラムの数字以上に雄大に見せる好馬体、そしてレースぶりから大物感が伝わってくる。騎乗した北村宏司騎手が「荒々しい走り」と評したように、決して切れるタイプではないものの、長く脚を使えるタイプ。それだけに、時計がかかる洋芝の札幌に舞台が替わることはマイナスにはならないはずで、仮に道悪になっても対応できるだろう。メンバーは一気に強くなるが、前走のような早めのスパートを決めれば、十分にチャンスがありそうだ。

エメラルファイト

牡2歳

調教師:相沢郁(美浦)

  • 父:クロフネ
  • 母:セトウチソーラー
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

JRA重賞を16勝している相沢厩舎だが、実は1番人気で4戦0勝。逆に5番から9番人気まで各1勝ずつ。2010年福島記念では12番人気のダンスインザモアで制しているように、仮に下位人気でも侮れない。デビュー戦で見せた勝負強さを武器に連勝を狙う。

6月23日のメイクデビュー東京(芝1600メートル)は、スッと好位の外めを確保し、最後の直線では馬場の中ほどからじわじわと伸びるレース運び。最後は内で粘るトーセングラン(3着)、外から猛追したミディオーサ(2着)のディープインパクト産駒2頭を競り落とし、勝負強さを見せつけて先頭でゴールを駆け抜けた。牡馬にしては決して大きくない450キログラム前後だが、非常にバランスが良い馬体。なお、半兄のエメラルエナジー(父ファルブラヴ)、同じくエメラルスター(父タイキシャトル)は、いずれも初勝利から2連勝を果たしている。一気の相手強化となるが、この母系の勝負強さに期待したい。

ナンヨーイザヨイ

牡2歳

調教師:松永幹夫(栗東)

  • 父:エイシンフラッシュ
  • 母:シャルルヴォア
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

1800メートルの一戦だけあって、1200メートルからの臨戦は少ない。近10年に限れば該当9頭で最高着順は2012年コスモシルバードの5着。勝てば2002年のサクラプレジデント以来、実に16年ぶりとなる。

6月17日のメイクデビュー函館(芝1200メートル)は、2番手から楽々と抜け出して、2歳コースレコードに0秒2差まで迫る1分09秒4の好時計勝ち。それを思えば、同じ条件で1番人気の支持を集めた前走の函館2歳Sでの0秒7差9着は物足りない。ただ、16頭立ての6枠11番スタートから終始外々を回らされる展開もこたえたはずで、力負けではないだろう。その後はこの札幌2歳Sを目標に調整は順調。父エイシンフラッシュ、母の父スペシャルウィーク、さらに半兄2頭が1800メートルで初勝利を挙げているという血統から、芝1800メートルへの距離延長にも対応できそうだ。自身の柔らかみがある歩様から見ても、中距離への適性が感じられる。このまま引き下がるわけにはいかないだろう。

(岡崎 淳)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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