今週の注目レース
函館競馬場 1200m(芝)馬齢 2歳オープン
2016年の2着馬モンドキャンノは、その後京王杯2歳Sを勝ち、朝日杯FSでも2着に食い込んだ。その他にも、2015年1着のブランボヌールが阪神JFで3着、2012年4着のロゴタイプが朝日杯FSで1着、2011年2着のアイムユアーズが阪神JFで2着に入るなど、近年はこのレースで好走した馬が暮れの2歳GI で活躍している。現2歳世代最初のJRA重賞を優勝し、今後に弾みをつけるのはどの馬だろうか。今回は札幌・芝1200mで行われた2009年を含む過去10年の結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭中21頭は、通算出走数が「1戦」だった。一方、「2戦以上」だった馬は3着内率14.8%とやや苦戦している。ちなみに、日本ダービーの翌週から2歳戦が開催されるようになった2012年以降に限ると、通算出走数が「1戦」だった馬は〔5・3・5・38〕で3着内率25.5%とやや数値が上昇しているのに対し、「2戦以上」だった馬は〔0・2・0・27〕で3着内率6.9%とより苦戦している。今年もまずはキャリア「1戦」の馬に注目すべきだろう。〔表1〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 9-3-9-65 | 10.5% | 14.0% | 24.4% |
2戦以上 | 1-7-1-52 | 1.6% | 13.1% | 14.8% |
なお、通算出走数が「2戦以上」だった馬のうち、JRAの芝のレースで2着馬に0秒3以上のタイム差をつけて優勝した経験がない馬は3着内率4.9%と苦戦している。3着以内に好走したのは2007年1着のハートオブクィーンと2009年2着のキョウエイアシュラだけである。キャリア「2戦以上」、かつJRAの芝のレースで2着馬に0秒3以上のタイム差をつけて優勝した経験がない馬は評価を下げたい。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-6-1-13 | 0% | 30.0% | 35.0% |
なし | 1-1-0-39 | 2.4% | 4.9% | 4.9% |
過去10年の3着以内馬30頭中28頭は、JRAの芝のレースで4コーナーを5番手以内で通過して優勝した経験のある馬だった。一方、その経験がなかった馬は3着内率が4.9%にとどまっているうえ、2010年以降の該当馬は〔0・0・0・31〕とすべて4着以下に敗れている。先行して勝った経験のない馬は過信禁物と見るべきだろう。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-10-9-78 | 8.5% | 17.9% | 26.4% |
なし | 1-0-1-39 | 2.4% | 2.4% | 4.9% |
過去10年の3着以内馬30頭中29頭は、前走の馬体重が「480kg未満」だった。一方、「480kg以上」だった馬で3着以内に入ったのは2012年2着のコスモシルバード(前走488kg)だけで、該当馬の3着内率は4.2%と低い。馬体重の重い馬はやや評価を下げた方が良さそうだ。〔表4〕
前走の馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
480kg未満 | 10-9-10-94 | 8.1% | 15.4% | 23.6% |
480kg以上 | 0-1-0-23 | 0% | 4.2% | 4.2% |
過去10年の出走馬の誕生月別成績を調べると、連対率や3着内率は誕生月が早いほど高くなっている。優勝馬の数は「3月」生まれと「4月」生まれの馬が多いものの、現2歳世代の馬にとっては最初のJRA重賞ということもあって、早生まれの馬にはそれなりのアドバンテージがあると見るべきだろう。〔表5〕
誕生月 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1月 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
2月 | 1-5-1-17 | 4.2% | 25.0% | 29.2% |
3月 | 3-2-5-34 | 6.8% | 11.4% | 22.7% |
4月 | 4-1-2-43 | 8.0% | 10.0% | 14.0% |
5月 | 1-0-0-18 | 5.3% | 5.3% | 5.3% |
過去7年の優勝馬7頭は、いずれも誕生日が4月9日以前だった。〔表5〕で挙げた傾向からもわかる通り、遅生まれの馬は評価を下げるべきだろう。また、この7頭は通算出走数が1戦だった点、JRAの芝のレースで4コーナーを3番手以内で通過して優勝した経験があった点、前走の馬体重が480kg未満だった点も共通している。〔表1〕〔表3〕〔表4〕で挙げた点についても重視したいところだ。〔表6〕
(伊吹雅也)
※表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 誕生日 | 通算出走数 | 前走の着順と 4コーナーの通過順 |
前走の 馬体重 |
---|---|---|---|---|---|
2010年 | マジカルポケット | 4月3日 | 1戦 | 1着、4コーナー1番手 | 460kg |
2011年 | ファインチョイス | 1月24日 | 1戦 | 1着、4コーナー2番手 | 434kg |
2012年 | ストークアンドレイ | 2月22日 | 1戦 | 1着、4コーナー3番手 | 462kg |
2013年 | クリスマス | 3月4日 | 1戦 | 1着、4コーナー1番手 | 418kg |
2014年 | アクティブミノル | 4月7日 | 1戦 | 1着、4コーナー1番手 | 476kg |
2015年 | ブランボヌール | 4月9日 | 1戦 | 1着、4コーナー3番手 | 436kg |
2016年 | レヴァンテライオン | 3月23日 | 1戦 | 1着、4コーナー3番手 | 476kg |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。