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5月18日プリークネスステークス(G1)

  • アメリカピムリコ競馬場
  • ダート1900メートル

ウォーオブウィルがケンタッキーダービーの雪辱を果たす

1番人気インプロバブルを筆頭に、ケンタッキーダービーから4頭が参戦

ケンタッキーダービー(G1・アメリカ)で、1位入線後に進路妨害によって17着に降着となったマキシマムセキュリティは、三冠からの離脱を決定。繰り上がって優勝馬となったカントリーハウス、2着コードオブオナー、3着タシトゥスもそれぞれの事情によって回避したことで、ケンタッキーダービー組は4着のインプロバブルを筆頭に、7着ウォーオブウィル、9着ウィンウィンウィン、13着ボーディエクスプレスの4頭が参戦。これに9頭の新興勢力を加えた13頭が二冠目の舞台に上がった。

人気はM.スミス騎手が鞍上のインプロバブルに集まって、単勝オッズは3.5倍。マキシマムセキュリティが勝ったフロリダダービー(G1・アメリカ)で4着となったバーボンウォーが2番人気(単勝オッズ6.6倍)、ケンタッキーダービーで不利のあったウォーオブウィルが単勝オッズ7.1倍の3番人気となった。

大きな不利があったケンタッキーダービーの雪辱を果たす

ケンタッキーダービーより100メートル距離が短縮され、直線も約30メートル短いピムリコ競馬場を舞台とするプリークネスS(G1・アメリカ)は、逃げ・先行有利と言われている。
はやる気持ちを抱いてゲートを飛び出した13頭の中で、気合が入りすぎたボーディエクスプレスが大きくジャンプし、J.ヴェラスケス騎手を空に放り投げてカラ馬でスタート。場内がざわめいた。

スタンド前を過ぎた馬群はウォリアーズチャージを先頭にして向正面へ。最初の800メートルを46秒16で通過した。人気馬は、1番枠からスタートしたウォーオブウィルが、内ラチから離れず4番手で折り合って先行。インプロバブルは6番手、バーボンウォーは8番手の位置取りとなった。

3コーナーにかかるあたりで、後方から馬群の外を通ったカラ馬のボーディエクスプレスに追い立てられるようペースが上がり、馬群が凝縮。最終コーナーを回りながらやや外に振られたウォリアーズチャージが作った最内のスペースに、T.ガファリオン騎手の騎乗するウォーオブウィルのピンクの勝負服が飛び込んだ。
直線残り200メートルで、粘るウォリアーズチャージをかわしたウォーオブウィルが2馬身抜け出して安全圏に入る。ゴール直前で単勝オッズ30.3倍の伏兵エヴァーファストが猛然と追い込むも、1馬身1/4差をつけてウォーオブウィルが優勝。大きな不利があって7着に終わったケンタッキーダービーの雪辱を果たした。

2着エヴァーファストからハナ差の3着に、レキシントンS(G3・アメリカ)優勝から臨んだオーウェンデール。インプロバブルは中団のまま伸びを欠いて6着。ハットトリック産駒のウィンウィンウィンは7着、バーボンウォーは8着。一般戦を6連勝して4番人気に支持されていたオールウェイズマイニングは11着に敗れた。
良馬場の勝ちタイムは1分54秒34。これはのちの三冠馬ジャスティファイが不良馬場(sloppy)で計時した昨年の1分55秒93より、約1秒半速いものだった。

ウォーオブウィルはタイトルを携えベルモントSへ

ウォーオブウィルはタイトルを携えて6月8日のベルモントS(G1・アメリカ。ベルモントパーク競馬場、ダート2400メートル)に向かう。T.ガファリオン騎手とM.キャシー調教師は、共に三冠競走初優勝となった。

プロフィール

ウォーオブウィルWAR OF WILL

牡 2016年生 アメリカ産

  • 通算成績: 10戦4勝(2019年5戦3勝)
主な勝ち鞍
  • 2019年: プリークネスS(G1・アメリカ。ダート1900メートル)
血統表
1代 2代 3代
War Front
2002年生
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Starry Dreamer Rubiano
Lara’s Star
Visions of Clarity
2000年生
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Imperfect Circle Riverman
Aviance

父のウォーフロント(War Front)はダンジグ系の人気種牡馬。G1では2着止まりだったが、父のダンジグも繋養されたケンタッキー州のクレイボーンファームによって種牡馬に迎えられると、秘められていた素質が開花。初年度産駒から、G1を2勝し、のちに日本で種牡馬として導入されたザファクター(日本における初年度産駒のデビューは2021年)が登場。2016年生まれの現3歳世代まで、9年連続でG1に勝つ産駒を送り続けている。また、ウォーフロントの産駒はヨーロッパの芝競馬にも強く、デクラレーションオブウォー、ウォーコマンド、エアフォースブルー、ローリーポーリー、ランカスターボンバー、ブレイヴアンナ、ユーエスネイビーフラッグがヨーロッパのG1に優勝。今年のアメリカ3歳世代では、アーカンソーダービー(G1)とレベルS(G2)で西地区の強豪を下し、ケンタッキーダービー(G1)の最有力候補に挙げられたオマハビーチ(喉頭蓋の異常によってケンタッキーダービーは取消)も、ウォーフロントの産駒である。

ウォーオブウィルの母ヴィジョンズオブクラリティ(Visions of Clarity)は、ブリーダーズカップマイル(G1・アメリカ)など、芝のG1で5勝したスピニングワールドの半妹。2010年の愛ナショナルS(G1・アイルランド)を制したパスフォーク(父ディストーテッドヒューマー)は、ウォーオブウィルの半兄にあたる。

プリークネスステークスとは?

アメリカ三冠競走の第二関門。ケンタッキーダービー(G1)から2週間後の5月第3土曜に、東部メリーランド州のピムリコ競馬場で行われる。距離は1900メートルでケンタッキーダービーより100メートル短い。プリークネスS(G1)は、1870年のディナーパーティーSの勝ち馬プリークネスを記念して1873年から始まり、今年で144回目(1891年から3年間は開催休止)。当初は2400メートルで行われていたが、幾たびかの変更を経て1925年から現在の距離に固定された。
レースレコードは1973年の三冠馬セクレタリアトによる1分53秒0。歴代の勝ち馬にはボールドルーラー、ノーザンダンサー、セクレタリアト、シアトルスルー、サンデーサイレンスなど、アメリカ競馬史上に燦然と輝く名馬が名を連ねている。2009年にはケンタッキーオークス(G1)を制したレイチェルアレクサンドラが牡馬を蹴散らして優勝。85年ぶりの牝馬優勝の快挙を達成した。

文:奥野 庸介

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