海外競馬発売

キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス(G1)

アスコット競馬場 2390メートル(芝)3歳以上

発売開始時刻
日本時間7月27日(土曜)
ネット投票:午前7時00分
UMACA投票:午前9時20分または午前9時30分
発走予定時刻
日本時間7月27日(土曜)午後11時40分

2019年キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークスコラム

太字はキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS出走予定馬
7月26日(金曜)時点での情報を基に執筆

今季3戦無敗のクリスタルオーシャンが、女王エネイブルの座を脅かすか

今季ここまでのイギリス競馬で、間違いなく、最もスリリングなグループ1となることが既に約束されているのが、今週土曜日(27日)にアスコット競馬場で行われる、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(G1)である。そこでは、ヨーロッパ古馬戦線における最強馬と誰もが認める2頭が、今年の英ダービー馬、日本からやってきたジャパンカップ(GⅠ)勝ち馬、そして、今年のコロネーションC(G1・イギリス)勝ち馬と顔を合わせるのだ。
別の見方をすれば、今年春のクラシックレースを戦った3歳世代の精鋭が、初めて古馬とぶつかるわけで、年上のスーパーホースたちを相手に、英ダービー馬がどんな競馬を見せるかも、大きな焦点となりそうだ。

古馬勢で最初に取り上げるべきは、昨年・一昨年と凱旋門賞(G1・フランス)を連覇しているだけでなく、この"キングジョージ"を3歳時(2017年)に制した実績も持つ「ターフのヒロイン」エネイブル(牝5歳)であろう。同馬は今季ここまでまだ一戦しかしていないが、7月初めにサンダウン競馬場で行われたエクリプスS(G1・イギリス)を快勝している。

エクリプスSに登場したエネイブルは十分によく仕上がっているように見えたし、レースでも彼女らしい盤石の強さを見せたように思えた。しかし、同馬を管理するジョン・ゴスデン調教師は、約8か月ぶりの実戦だった同馬は決して100パーセントの状態ではなく、3週間後の"キングジョージ"の時にピークを迎える仕上げであったことを示唆している。いずれにしても、エクリプスSを終えた後、ブックメーカー各社は"キングジョージ"に向けた前売りで、エネイブルをいずれも単勝オッズ2倍を切る大本命に押し上げることになった。

エネイブルはここまで通算で12戦し、敗れたのはただ1度だけであり、そしてその敗戦は、2年以上も前のことである。だが、エネイブルにとってこれまでのキャリアで最強の敵となるのが、"キングジョージ"で顔を合わせるクリスタルオーシャン(牡5歳)であると私は見ている。別の言い方をすれば、彼女の連勝が途絶えてしまう最大の危機が、今週の土曜日に訪れようとしているというのが、私の見方なのだ。それほど、今季に入って3戦無敗の成績を誇り、前走のプリンスオブウェールズS(G1・イギリス)で待望のG1初制覇を果たしたクリスタルオーシャンは、高い能力を持っている。プリンスオブウェールズSの距離は10ハロン(1990メートル)で、"キングジョージ"は12ハロン(2390メートル)だが、私はクリスタルオーシャンは12ハロンの方がより適性が高いと見ている。昨年の"キングジョージ"では、同厩のポエッツワードの2着に甘んじたが、この12か月で彼の性能は格段にアップしている。

古馬になってだんだんと力を付けてくる馬を育てることにかけては、当代随一の手腕を誇るのが、クリスタルオーシャンを管理する"サー"マイケル・スタウトだ。土曜日に、クリスタルオーシャンが女王エネイブルの座を脅かし、立場を逆転させたとしても、まったく驚くべきことではないと私は感じている。マイケル・スタウト調教師は、1981年の勝ち馬シャーガーや、現在は日本で種牡馬として大成功している2010年の勝ち馬ハービンジャーなど、"キングジョージ"を6勝している、このレースの最多勝調教師である。

  • 一昨年の"キングジョージ"勝ち馬エネイブル

  • 前走でG1を制し勢いに乗るクリスタルオーシャン

3歳世代を代表するのは、英ダービー馬のアンソニーヴァンダイク(牡3歳)だ。"キングジョージ"は馬齢重量戦のため、古馬との初顔合わせになるここでは、8ストーン10ポンド(55.5キログラム)の斤量で出走出来るというのが、大きな魅力である。英ダービー(G1・イギリス)で勝利を収めた後、この父ガリレオの牡馬は、愛ダービー(G1・アイルランド)で同厩のソヴリンの後塵を拝し2着に敗れたが、巨大戦力を率いるバリードイルのエイダン・オブライエン調教師が、この馬で"キングジョージ"を狙ってくるからには、それなりの勝算があるはずで、要注目の1頭であることはまちがいない。ただし、私は現段階では、古馬勢優勢という見方をしている。

今年の"キングジョージ"出走馬の層を分厚くしている1頭が、シェイク・モハメド・オベイダが所有し、ロジャー・ヴェリアン調教師が管理するデフォー(せん5歳)だ。5歳となった今季になって本格化し、本領を発揮するようになった1頭である。前々走のコロネーションC(G1・イギリス)、前走のハードウィックS(G2・イギリス)を連勝しての参戦となっている。

さらにフランスからアンドレ・ファーブル調教師が、4月にガネー賞(G1・フランス)で3度目のG1制覇を果たしたヴァルトガイスト(牡5歳)を送り込んでくる。アスコットには今年2度目の登場で、前走のプリンスオブウェールズSでは、クリスタルオーシャンの3着に健闘している。ただし、昨年彼は、パリロンシャンとチャーチルダウンズ競馬場でエネイブルと顔を合わせ、いずれのレースでもエネイブルに完敗している。この事実は、重く受け止めるべきだろう。

そして、今年の"キングジョージ"を面白くしている決定的な存在が、日本からのチャレンジャーであるシュヴァルグラン(牡7歳)である。彼は、単にこのレースの国際色を豊かにしている、というだけの存在では決してないと、私は見ている。高い能力を持った馬であることは、既に様々なレースにおいて実証済みであり、アスコットの12ハロンというタフなコースも平然とこなす可能性のある馬だ。ましてや鞍上は、現在のヨーロッパにおける最良の乗り役の一人であるオイシン・マーフィー騎手である。何かをやってくれる、そんな期待感に満ちた馬がシュヴァルグランである。

私の推奨馬は、クリスタルオーシャンエネイブルシュヴァルグランアンソニーヴァンダイクデフォーの順番である。

  • 文:Emma Berry
  • 訳:合田 直弘
  • シュヴァルグラン

  • アンソニーヴァンダイク

  • デフォー

Emma Berry(エマ・ベリー)

ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。
少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。

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当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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