海外競馬発売

香港ヴァーズ(G1)

シャティン競馬場 2400メートル(芝)3歳以上

発売開始時刻
日本時間12月9日(日曜)
ネット投票:午前7時00分
UMACA投票:午前9時20分または午前9時30分
発走予定時刻
日本時間12月9日(日曜)午後3時00分

2018年香港ヴァーズコラム

太字は香港ヴァーズ出走予定馬
12月8日(土曜)時点での情報を基に執筆

今年の中心はフランス調教馬ヴァルトガイスト

今年の香港ヴァーズ(G1・香港)は、近年で最もエキサイティングな顔触れがそろった。日本、アイルランド、イギリス、そしてフランスから遠征してきた馬たちが、それぞれの地域の芝2400メートル戦線でトップクラスの一角にある馬たちであるだけでなく、地元・香港を代表する馬たちも、過去最高と言っても過言ではない顔触れなのだ。
そして、香港代表たちが、このレースにおけるヨーロッパ優位という趨勢に終止符を打つことができるかどうかが、今年の香港ヴァーズにおける最大の見どころであると思う。

フランスにおける伝説的調教師A.ファーブルは、この香港ヴァーズにおいても、1999年以降11頭を出走させ、2勝、2着3回、3着1回と、素晴らしい成績を残している。そして、彼が今年送り込んできたヴァルトガイスト(牡4歳)も、高く評価すべき馬である。
ファーブル厩舎所属馬として昨年のこのレースで2着となったタリスマニック同様、ヴァルトガイストもG1のタイトルを引っさげての参戦だ。7月にサンクルー大賞(フランス)を制したのが、彼にとって2度目のG1制覇で、これを含めて今シーズンの彼は、7戦して芝2000メートルから芝2400メートル路線の重賞を4勝。4着1回、5着2回と、堅実な成績を残している。
前走のブリーダーズカップターフ(G1・アメリカ)が5着に終わったことで、この馬の評価を下げる動きもあるようだが、私はそうは見ていない。ヨーロッパからの遠征馬が、アメリカの芝コースに対応できないケースは、これまでも何度も見られており、彼の敗戦もそうした典型的な例の1つと考えている。凱旋門賞連覇を果たした後、ブリーダーズカップターフも制したエネイブルが、例外的に傑出した馬であると見るべきであろう。

今年、香港ヴァーズでペースを作るのは、日本から参戦してくるクロコスミア(牝5歳)になるようだが、平均ペースか、それよりやや速い流れが作られることになりそうだ。というのも、アイルランドからやってくるラトローブ(牡3歳)とロストロポーヴィチ(牡3歳)、イギリスから参戦するサルウィン(牡4歳)とミラージュダンサー(牡4歳)、そして地元を代表する1頭であるリヴン(せん5歳)といった馬たちが、いずれも逃げた経験のある馬たちだからだ。その恩恵を受けるのが、ヴァルトガイストであると思う。
フランスのトップジョッキー・P.ブドーが手綱を取るヴァルトガイストが、前半は中団以降で虎視眈々と脚をため、直線で末脚を伸ばすことになるだろう。ヴァルトガイストが優勝すれば、A.ファーブルは香港ヴァーズを3度手にする、ただ一人の調教師となる。

  

ここ2戦ほど見どころのない負け方をしているものの、そこからの挽回を目指しての出走となるのが、A.クルーズ厩舎のパキスタンスター(せん5歳)だ。昨シーズン後半に、クイーンエリザベスⅡ世カップ(G1・香港。芝2000メートル)、チャンピオンズ&チャターカップ(G1・香港。芝2400メートル)を制し、チャンピオンステイヤーのタイトルを獲得するとともに、ファン投票で決まるモースト・ポピュラー・ホースの称号を得たのがパキスタンスターである。

今シーズンはここまで3戦し、全て敗戦を喫しているが、それぞれに負けた理由があるのだ。例えば、前々走のレディースパース(G3・香港)では、レース半ばで走るのが嫌になり、止まろうとするという、以前にも見せていた悪癖が顔を覗かせている。そして前走の香ジョッキークラブカップ(G2・香港)では、ハイペースで先行した馬たちを、序盤からしつこく追いかけすぎたのが敗因である。
今週の日曜日、レース前半から上手に折り合うことができれば、直線に向くと持ち前の鋭い末脚を繰り出すことになるはずだ。依然として軽視は禁物なのが、パキスタンスターであると見ている。

  • ヴァルトガイスト

  • パキスタンスター

パキスタンスターと同厩のエグザルタントもまた、重要視されてしかるべき1頭である。彼を管理するクルーズ調教師は常々、この4歳せん馬にとってベストの距離は芝2400メートルであると公言しており、過去の戦績もそれを立証している。昨シーズンのクイーンマザーメモリアルカップ(G3・香港)では6馬身差の圧勝を見せているし、チャンピオンズ&チャターカップでもパキスタンスターに1馬身3/4遅れをとっただけの2着に健闘している。
おそらくは速い流れになる中、ヴァルトガイスト同様に前半は後方に待機し、最後の400メートルで疾風怒涛の追い込みを見せてくれるものと見ている。

このレースがG1に昇格した2000年以降、ヴァレーアンシャンテ(2003年)、ウィジャボード(2005年)、ダリャカーナ(2009年)と、3頭の牝馬が牡馬勢を撃破して香港ヴァーズ制覇を果たしている。今年、4頭目の優勝牝馬として歴史に名を刻む可能性を秘めているのが、日本から参戦するリスグラシュー(牝4歳)である。
この父ハーツクライの4歳牝馬は、3歳時から、桜花賞(GⅠ)2着、秋華賞(GⅠ)2着などの成績を残し、その実力の高さを誇ってきた。今季の同馬はさらなる成長を見せ、前走のエリザベス女王杯(芝2200メートル)で、ついにGⅠのタイトルを手中にしている。芝2400メートルの距離を走るのは、3歳時のオークス(5着)以来となるが、手綱を取るJ.モレイラは、この距離も全く問題なくこなすであろうと発言している。であるならば、相応のチャンスがある馬と見るべきであろう。

私のセレクションは、ヴァルトガイストパキスタンスターエグザルタントリスグラシューエジーラ(牝4歳)の順である。

  • 文:Bart Vanders
  • 訳:合田 直弘
  • エグザルタント(4番)

  • リスグラシュー

  • エジーラ

Bart Vanders(バート・ヴァンダース)

バート・ヴァンダースは、競馬メディアに身を置いて20年以上になる。そのほとんどは、アップルデイリーの看板記者として過ごした歳月だが、現在はシンタオ・デイリーで活躍している。海外取材の経験も豊富で、北米、シンガポール、フランス、ドバイ、そして日本に出かけ、ブリーダーズカップ、ドバイワールドカップ、安田記念などを取材している。ちなみに、日本でお気に入りの競馬場は、阪神と園田とのこと。かつてはマカオで騎手エージェントをやっていた時期もあり、現在は、マカオと香港の競馬サークルの橋渡し役ともなっている。

ご注意

当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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