海外競馬発売

香港ヴァーズ(G1)

シャティン競馬場 2400m(芝)3歳以上

  • 発売開始時刻日本時間12月10日(日曜)10時00分

  • 発走予定時刻日本時間12月10日(日曜)15時00分

コラム

太字は香港ヴァーズ出走予定馬
12月8日(金曜)時点での情報を基に作成

BCターフの覇者タリスマニック有力も、高水準の混戦状態

今年の香港ヴァーズ(G1)は、近年のこのレースでもっとも混戦状態にあると見ている。それも、高い水準での混戦状態になっていると思うのだ。5つの国と地域を代表する12頭が出走を予定しているが、その中には、一昨年のこのレースの勝ち馬ハイランドリール(牡5歳)、ブリーダーズカップターフ(G1、芝2400m)の勝ち馬タリスマニック(牡4歳)、日本版セントレジャーの菊花賞(GⅠ)勝ち馬キセキ(牡3歳)らがいるだけでなく、長距離路線で台頭著しいティベリアン(牡5歳)もいる。この顔触れを相手に勝利を収めるには、どの馬も、自身にとっての最高のパフォーマンスを発揮することを求められるはずだ。

フランスの伯楽アンドレ・ファーブルは、1999年以降、香港ヴァーズに延べ10頭を参戦させている。そして、2勝(1999年のボルジア、2014年のフリントシャー)を挙げている。もし今年、タリスマニックで勝利を収めることができれば、香港ヴァーズを3度手中にする、ただ一人の調教師となる。メダリアドロを父に持つ4歳馬タリスマニックは、ブリーダーズカップターフで、アメリカにおけるこの路線の最強馬の一頭であるビーチパトロールや、2015年の香港ヴァーズを含めてG1・6勝のハイランドリールらを退けて優勝。これまでのキャリアで最高の勲章を手にしている。

タリスマニックは、ここまで走った16戦のうち10戦が、香港ヴァーズと同じ芝2400mで、4勝、2着3回、3着1回と、実に堅実な成績を残している。なおかつ、ヨーロッパを拠点とする馬たちが往々にして、重馬場や不良馬場でしか競馬をしたことがないのに対し、この馬は、“Good”あるいは“ Firm”(JRA基準では、共に良馬場)という、硬めの馬場でも素晴らしいレースを見せている。それゆえ、シャティンのドライで硬めの馬場にも、問題なく対応できるはずである。タリスマニックこそ、他の馬たちが優勝するには、どうしても撃破しなければならない馬になるだろう。

  • タリスマニック

  • キセキ(12月7日撮影)

昨年のこのレースをサトノクラウンが制し、日本馬にとっての優勝の空白期間に15年で終止符を打つことになった。キセキは、この勝利の機運に乗ることができる馬だと見る。父がルーラーシップ、母がディープインパクト産駒のブリッツフィナーレという3歳牡馬が、日本の長距離路線において今、最も台頭著しい馬であることは明らかである。神戸新聞杯(GⅡ)で、今年の日本ダービー馬にして、先日のジャパンカップでも2着に健闘したレイデオロの2着となった後、日本版セントレジャーとして知られる菊花賞でGⅠ初制覇を果たしたのがキセキである。まだキャリア8戦の同馬は、おおいに上昇の余地を残しているはずだ。そして、菊花賞から香港ヴァーズまでの7週間(中6週)というインターバルは、ここの馬が改めてフレッシュな状態になるのに、充分な間隔であると思う。

3年連続での参戦となるのが、2015年と2016年のこのレースで、1着、2着という成績を残している、エイダン・オブライエン厩舎のハイランドリールである。これまでの2年に比べると、ここまで使われているレース数が少なく、海外遠征もこれまでの2年よりは少ない。そして今年は、シーズン中に休養期間を2度設けている。1度目は、3月末にドバイシーマクラシック(G1、芝2410m、7着)を走った後で、2度目は、7月末にキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(G1、芝2400m、4着)を走った後のことだった。そして、昨年や一昨年に匹敵する、素晴らしい成績を残している。今年の彼は6月に、エプソム競馬場のコロネーションカップ(G1、芝2410m)と、ロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズS(G1、芝2000m)という2つのG1を、中18日というインターバルを挟んで連勝している。そして10月には、アスコットの英チャンピオンS(G1、芝2000m)で、ヨーロッパにおいてレーティング(ロンジンワールドベストレースホースランキング)首位の座にあるクラックスマンの3着に入っている。ハイランンドリールは、香港ヴァーズを走り終えた後、引退して種牡馬入りすると発表されている。今年の相手は、過去2年よりも手強いのだが、しかしそれでも、彼が有力馬の一頭であることは間違いない。

フランスのアラン・クエティルが管理する5歳のステイヤー・ティベリアンは、まだG1に勝利したことがない。しかし、今年ここまで走った6戦のうち、8月のドーヴィル大賞(G2、芝2500m)を含めて4戦において勝利を収めている。しかも彼は今年の春、タリスマニックに2度続けて先着しているのだ。11月にフレミントン競馬場で走った前走のメルボルンカップ(G1、芝3200m)は7着という成績に終ったが、あのレースは2か月以上の休み明けで、しかも3200mという距離は彼には長すぎたのが敗因だろう。彼が持つ能力に疑いを投げかけるものではなかった。前走後の状態に問題がなければ、穴をあけるのはこの馬であるような気がしている。

私の推奨馬は、タリスマニックキセキハイランドリールティベリアンゴールドマウント(せん4歳)の順である。

  • 文:Bart Vanders
  • 訳:合田直弘
  • ハイランドリール(12月8日撮影)

  • ティベリアン(12月5日撮影)

  • ゴールドマウント

Bart Vanders

バート・ヴァンダースは、競馬メディアに身を置いて20年以上になる。そのほとんどは、アップルデイリーの看板記者として過ごした歳月だが、今季の彼は新たなスタートを切った。シンタオ・デイリーに移籍したのである。海外取材の経験も豊富で、北米、シンガポール、フランス、ドバイ、そして日本に出かけ、ブリーダーズカップ、ドバイワールドカップ、安田記念などを取材している。ちなみに、日本でお気に入りの競馬場は、阪神と園田とのこと。かつてはマカオで騎手エージェントをやっていた時期もあり、現在は、マカオと香港の競馬サークルの橋渡し役ともなっている。

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