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ドバイワールドカップ(G1)

メイダン競馬場 2000m(ダート)南半球産馬3歳以上、北半球産馬4歳以上

レース結果・回顧

世界最強・アロゲートが余裕の勝利

日本馬が4頭も挑戦した今年のドバイワールドカップだが、世界的に最も注目されたのはアロゲート(牡4歳)だ。
2016年のブリーダーズカップクラシック(G1・アメリカ)で、 同年のドバイワールドカップを制し、当時、ダート最強と評されていたカリフォルニアクロームを半馬身差、退けると、今年初戦のペガサスワールドカップ(G1・アメリカ)でも同馬らを一蹴。新たなる世界最強ダート馬と称され、日本でも単勝1.2倍の圧倒的な支持を受けていた。

各馬がパドックに入る前、ラニ(牡4歳、栗東・松永幹夫厩舎)だけは別ルートで馬場入り。他馬を見ると興奮するこの馬の気性を考慮し、陣営が主催者側と交渉。それが認められこのような手が打たれた。

馬場状態は重。ぬかるんだ馬場の上でゲートが開くとすぐにスタンドがどよめいた。

ゴールドドリーム(牡4歳、栗東・平田修厩舎)が出遅れたが、次の瞬間それよりも後ろの位置に下がったのがなんとアロゲートだったのだ。少し遅めのスタートを切ると、両側の馬に挟まれるような格好となり、ズルッと後退。一気に最後方まで下がってしまったのだ。

一周目のスタンド前。先頭に立ったのは前哨戦のアル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3(G1・UAE)を逃げ切ったロングリバー(牡7歳)。アメリカの快速馬ガンランナー(牡4歳)を抑え、前哨戦同様に逃げた。

2番手がガンランナー。2000mは気持ち長いかと思われていた同馬だが、ここ2戦の逃げ切り勝ちが強烈で3番人気に推されていた。

その後ろには、直前でカタールレーシングに権利の一部が買われたネオリシック(牡4歳)。前走はペガサスワールドカップでアロゲートの3着。最後は突き放されたため人気の盲点になっていたが、直線入り口ではアロゲートと並んで先頭争いを演じた馬で、ゆったり先行できれば怖い馬だった。

その後ろに昨年このレースで2着しているムブタヒージ(牡5歳)。さらにその後ろに武豊騎手に操られたアウォーディー(牡7歳、栗東・松永幹夫厩舎)が続いた。

中団のインにはアポロケンタッキー(牡5歳、栗東・山内研二厩舎)。出遅れたゴールドドリームは後方。最初のコーナーに差しかかる時には縦長になった隊列の中、アロゲートが1頭かわし、逆に最後方へ下がったのがラニだった。

向正面から3コーナーにかけて隊列はいくらか短くなり、細かい順列の変化はあったものの大きく動く馬はなく、アロゲートは後方から4頭目、ラニ1頭が馬群から大きく離された最後方で3コーナーを向いた。

ここから4コーナーにかけてレースが大きく動いた。逃げたロングリバーは早々にいっぱい。代わって先頭に立ったのがガンランナーでその直後にネオリシック。そして後方にいたはずのアロゲートは大外から脚を使って次々と先行集団を交わし、直線を向いた時にはムブタヒージも抜き去って先行2騎の後ろ。3番手まで上がった。

ラスト400mを切り、抜け出したのがガンランナー。その後ろにネオリシック、アロゲート、ムブタヒージが続き、これにアロゲートと同じB.バファート厩舎のホッパーチュニティとアウォーディーが続き、なんとか前との差を詰めようという走りをみせていた。

  • 圧倒的な強さを見せたアロゲート

  • アロゲートはこれでG1・4連勝

しかし、ラスト300mあたりからは1頭だけ脚色が違った。3コーナー過ぎから大外を進出して脚を使ったはずのアロゲートだが、最後にもう一度、エンジンがかかったかのように一気に加速。ネオリシックを交わし、ガンランナーも捕らえ、ゴールまで200mを切ると後はもう独擅場。結果、2着ガンランナーにつけた差は2馬身1/4だが、脚色が全く違ったため、最後は全く危な気のない格好でフィニッシュ。2分02秒15の時計で優勝した。

  • B.バファート調教師(トロフィー左)は、アロゲートを「セクレタリアト(1973年のアメリカ三冠馬)以来の偉大な馬」と称賛

  • 全レース終了後に行われたセレモニー

他の上位陣はほぼ4コーナーから“平行移動”。2着がガンランナーで3着がネオリシック。4着にはムブタヒージが入り、日本馬最先着となったアウォーディーは、ホッパーチュニティとの競り合いを制し5着に入った。上位を独占したアメリカ勢の強さが光ったものの、正攻法の競馬で結果を残したアウォーディーの走りも立派。この日はUAEダービーでもエピカリスが僅差の2着に好走しており、日本馬はダートでもレベルが確実に上がってきていると思わせる結果だった。

文:平松さとし

5着 アウォーディー 松永幹夫調教師のコメント
「健闘してくれました。キックバックを受けやすい位置取りでしたが、頑張ってくれたと思います。次は帝王賞を目指したいと思います」

5着 アウォーディー 武豊騎手のコメント
「状態はすごく良かったです。前の位置を取りに行ったのですが、思ったより後ろになってしまいました。自分の競馬はできたと思います。力は出せました」

8着 ラニ 松永幹夫調教師のコメント
「この馬にはドバイのダートが合っていると考えていたのですが。騎手によると、もっと長い距離が良いということなので、長い距離なら重賞を勝てると思います」

8着 ラニ R.ムーア騎手のコメント
「馬の状態は良かったです。馬場も問題ありませんでした。ただ、距離はもっとあったほうが良いです」

9着 アポロケンタッキー 山内研二調教師のコメント
「時計が速く、相手も強かったです。ここに来られて良い経験になったと思います。順調なら帝王賞に向かいたいと思います」

9着 アポロケンタッキー C.ルメール騎手のコメント
「ペースが速く、とても忙しい競馬でした。内に入ってしまい、外にも出せませんでした」

14着 ゴールドドリーム 平田修調教師のコメント
「残念な結果です。敗因は色々考えないといけないのかもしれません。今後のことは一息入れてゆっくり考えたいと思います」

14着 ゴールドドリーム J.モレイラ騎手のコメント
「スタートがあまり良くなかったので、最初は押していきました。向正面で行きっぷりが良くなり、気分良く走ってくれましたが、残り600mで馬が疲れてしまいました」

  • アウォーディー(内、武豊騎手)

  • ラニ(R.ムーア騎手)

  • アポロケンタッキー(内、C.ルメール騎手)

  • ゴールドドリーム(J.モレイラ騎手)

2017年3月25日(土) メイダン競馬場(アラブ首長国連邦)  

9R

第22回 ドバイワールドカップ(G1)

 
北半球産馬4歳以上,南半球産馬3歳以上 定量 2000m ダート・左  
賞金総額10,000,000米ドル 発走  20:45 (現地時間)
1着賞金6,000,000米ドル 天候:雨 ダート:重
着順 馬番
(ゲート)
馬 名 (生産国)



騎手 タイム ・
着差



(kg)
調教師 (調教国)


1 9 (09) アロゲート(USA) 牡4 57.0 M.スミス 2:02.15 B.バファート(USA) 1
2 5 (05) ガンランナー(USA) 牡4 57.0 F.ジェルー 2.25 S.アスムッセン(USA) 3
3 11 (11) ネオリシック(USA) 牡4 57.0 J.ヴェラスケス 5 T.プレッチャー(USA) 12
4 14 (14) ムブタヒージ(IRE) 牡5 57.0 C.スミヨン 1.75 M.デコック(SAF) 6
5 7 (07) アウォーディー(USA) 牡7 57.0 武 豊 1.5 松永 幹夫(JPN) 2
6 12 (12) ホッパーチュニティ(USA) 牡6 57.0 F.プラ クビ B.バファート(USA) 8
7 10 (10) キーンアイス(USA) 牡5 57.0 J.カステリャーノ 1 T.プレッチャー(USA) 11
8 4 (04) ラニ(USA) 牡4 57.0 R.ムーア 4 松永 幹夫(JPN) 7
9 1 (01) アポロケンタッキー(USA) 牡5 57.0 C.ルメール 5 山内 研二(JPN) 5
10 6 (06) ムーヴアップ(GB) 牡4 57.0 A.デフリース 2.75 S.ビン・スルール(UAE) 9
11 2 (02) ロングリバー(USA) 牡7 57.0 M.バルザローナ 8 S.ビン・ガデイヤー(UAE) 10
12 13 (13) スペシャルファイター(IRE) 牡6 57.0 F.ハラ 15 M.リッチー(UAE) 13
13 8 (08) フリアクルサーダ(CHI) 牝5 55.0 A.フレス 0.5 E.シャルピー(UAE) 14
14 3 (03) ゴールドドリーム(JPN) 牡4 57.0 J.モレイラ 13.5 平田 修(JPN) 4
 着差は先着馬からの着差を表しております(馬身表示)。
払戻金
単勝 9 120円 1番人気 馬連 5-9 450円 1番人気 馬単 9-5 450円 1番人気
複勝 9
5
11
110円
180円
520円
1番人気
2番人気
8番人気
ワイド 5-9
9-11
5-11
220円
760円
2,680円
1番人気
7番人気
25番人気
3連複 5-9-11 3,430円 10番人気
3連単 9-5-11 5,170円 9番人気

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