コラム

※太字はドバイターフ出走予定馬
※3月23日(木曜)時点での情報を基に作成

海外評論家が見るドバイターフ
「レース当日まで本命を決められない大混戦」

ドバイワールドカップデーのレースの中でも、往々にして最も勝つのが難しい競馬になるのが、総賞金600万ドルのドバイターフ(G1)である。スピードと、ゴール前の踏ん張りを兼ね備えた馬たちがそろい、層の厚い出走メンバーで争われることが多いからだ。

今年のドバイターフも例年通り、タフな競馬になりそうである。サンデーレーシングが所有する、昨年のこのレースの勝ち馬リアルスティールこそ鼻出血により出走を取りやめたが、13頭の強豪が覇を競う。

日本からドバイに渡り、ドバイターフのトロフィーを目指して出走するのが、佐々木主浩氏所有のヴィブロス(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。同馬は、昨年10月に京都競馬場で行われた秋華賞(GI)の勝ち馬である。父はディープインパクトで、ヴィクトリアマイル(GI)を連覇したヴィルシーナの全妹にあたるが、前走の中山記念(GII)では5着に敗れている。しかし、友道調教師の管理する同馬が、ゴール前で使った脚はなかなかに際立っており、(重賞では)牡馬と初顔合わせであったにもかかわらず、勝ったネオリアリズムとのタイム差はわずか0秒3であった。

  • ヴィブロス(3月22日撮影)

  • リブチェスター(3月23日撮影)

ヴィブロスをメイダンで待ち受ける馬の中で、筆頭はゴドルフィンが所有するリブチェスター(牡4歳)となろう。昨年10月15日にアスコットで行われたクイーンエリザベス2世S(G1・イギリス)で、クールモアが所有する2016年度カルティエ賞年度代表馬マインディングの2着になって以来、実戦からは遠ざかっているが、R.フェイヒー調教師(イギリス)の仕上げに狂いがなければ、強力なライバルになるだろう。この父イフラージの4歳牡馬は、昨年8月にフランスのドーヴィルで行われたジャックルマロワ賞(G1)で、ヴァダモス、エルヴェディヤ、ガリレオゴールドといったG1勝ち馬たちを一蹴して優勝し、マイラーとしての類まれな能力をアピールしている。

ゴドルフィンがドバイターフに送り出すのは、リブチェスターだけではない。メイダンのケープヴェルディ(G2)を2016年・17年と制し、昨年のドバイターフでは6着だったベリースペシャル(牝5歳)もゴドルフィンの所有で、管理するのはS.ビン・スルール(UAE)である。

昨年夏から3連勝でここへ臨むのが、R.チャールトン(イギリス)が管理するデコレーテッドナイト(牡5歳)だ。父がガリレオで、母がジャイアンツコーズウェイの全妹という良血の5歳馬は、メイダン競馬場の馬場との相性が抜群である。

  • 2017年ジェベルハッタ
    (優勝:デコレーテッドナイト)

  • デコレーテッドナイト(3月22日撮影)

出走予定馬には、他にもG1勝ちの実績を積み重ねている馬がいる。それは、昨年のアーリントンミリオン(G1・アメリカ)勝ち馬モンディアリスト(牡7歳)だ。この父ガリレオの7歳牡馬は、2015年のウッドバインマイル(G1・カナダ)も制している。前走は芝2400mのブリーダーズカップターフ(G1・アメリカ)に出走し最下位の12着に敗れているが、距離短縮はこの馬にとって好ましいことである。

アガ・カーン殿下が所有する、将来性豊かなドバウィ産駒ザラック(牡4歳)も見逃せない存在だ。凱旋門賞勝ち馬ザルカヴァの4番仔となる同馬は、2月16日にメイダンで行われたドバイミレニアムS(G3)に優勝。その後、管理するA.ドゥロワイエデュプレ調教師(フランス)は、このレースに向けて、じっくりと時間をかけて同馬を調整している。

  • モンディアリスト(3月23日撮影)

  • ザラック(3月22日撮影)

他では、シンガポールから、同国の年度代表馬のデットコレクター(せん4歳)が参戦。イギリスからは、アメリカのチャンピオン牝馬テピンの3着となったウッドバインマイルを含めて、これまで走った14戦の全てで3着以内に入っているムタケイエフ(せん6歳)が遠征してくる。

目移りするような顔触れの中から、どの馬を自分の本命にしようか、おそらくはレース当日まで決められないであろう。

  • 文:Michele MacDonald
  • 訳:合田直弘

Michele MacDonald(ミシェル・マクドナルド)

ミシェル・マクドナルドは、サラブレッドメディアの分野で、国際的に様々な役割を担ってきている。編集者、ライター、カメラマンとして活躍する一方、競馬場の広報担当を務めた経験もあり、また、競走馬の生産・所有も手掛けている。現在は、レーシングポストのアメリカ通信員の任にあり、また、ドバイのアルアディヤットやアルカーヤル、南アフリカを拠点とする国際競馬雑誌などにも、コラムニストとして、カメラマンとして参画している。

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