海外競馬発売

ベルモントステークス(G1)

ベルモントパーク競馬場 2400m(ダート)3歳

  • 発売開始時刻日本時間6月10日(土曜)19時30分

  • 発走予定時刻日本時間6月11日(日曜)午前7時37分

コラム

※太字はベルモントS出走予定馬
※6月9日(金曜)時点での情報を基に作成

祖父の無念を晴らすべくベルモントSに挑むエピカリス

エピカリスは、6月10日(土曜)22時19分 出走取消

6月10日にベルモントパークで行われる、賞金総額150万ドルのベルモントS(G1)で、(有)キャロットファームが所有するエピカリスが、10頭以上のライバルたちを敵にまわして、日本調教馬初のアメリカクラシック制覇という歴史的偉業に挑む。
今年で149回目を迎えるベルモントSは、アメリカにおける最古の、そして最長距離(ダート2400m)のクラシックだ。まずは、そこに日本から参戦するというだけで、壮大な挑戦である。この、萩原清調教師が管理する父ゴールドアリュールの牡馬は、これまで5戦して1度だけしか敗戦を経験していない。それは、ゴドルフィン所有のG1勝ち馬サンダースノーに短アタマ差敗れた、3月25日にメイダンで行われたUAEダービー(G2・UAE)である。

エピカリスが持つ戦略的なスピード ―それは、メイダンでは馬群を先導するという形で披露され、東京のヒヤシンスS(ダート1600m)では先行馬たちを好位で追走し、ゴール前で内ラチ沿いを抜けるという形で示されている― は、ベルモントSでは大きな武器となる。舞台となるベルモントパークのダートコースは、1周2400mという大きなトラックで、そのサイズ、さらにはソフトで深い路面であることから、「ビッグ・サンディ(Big Sandy)」というニックネームで呼ばれている。そして、またの名を「ザ・テスト・オブ・ザ・チャンピオン(The Test of the Champion)」というベルモントSは、しばしば、逃げ馬に近いポジションで競馬をする馬が、勝利を収めるレースとなっている。

美浦トレーニング・センターから、ニューヨーク郊外のベルモントパークまで、約1日という輸送を乗り越えての参戦となるが、ベルモントSはドバイでのレース以来の出走なので、エピカリスはフレッシュな状態でレースに臨めるはずだ。エピカリスの主戦で、ベルモントSでも手綱をとるC.ルメールは、オークス(GI)をソウルスターリングで、日本ダービー(GI)をレイデオロで制している、今一番「ホット」な騎手である。2016年のベルモントSでラニが残した3着という成績を、上回ることが目標となるはずだ。

ベルモントSに出走するそれ以外の馬たちを総称するならば、才能はあるが、それを常に発揮できているわけではなく、今年のアメリカ3歳世代の中のトップ集団に属する馬であることを、実証するべく現在も奮闘中の馬たちである。

  • ベルモントパーク競馬場での調教風景(6月8日撮影)

  • エピカリス(6月6日撮影)

ケンタッキーダービー(G1)2着のルッキンアットリー、プリークネスS(G1)3着のシニアインベストメントは、クラシックの扉をノックするところまでは行ったが、選ばれし馬のみが入ることを許される領域に入るためには、それだけの力量がある馬であることを立証しなくてはならない立場にある。ルッキンアットリーは、ここまで11戦して勝ち星は2つだけで、重賞は未勝利だが、G1での入着(3着以内)は3度ある。

シニアインベストメントは、ここまで9戦3勝。4月15日にレキシントンS(G3)を勝った頃から、馬が一気に良くなったと聞いている。プリークネスSでは、後方から追い込み、ルッキンアットリー(4着)に半馬身先着する3着となっている。

  • ルッキンアットリー(6月6日撮影)

  • シニアインベストメント(6月8日撮影)

ベルモントSに出走してくる馬の中で、G1優勝実績があるのは、サンタアニタダービー(G1)勝ち馬ゴームリーのみになりそうだ。父マリブムーンの牡馬ゴームリーは、ケンタッキーダービーでは、馬込みの中で競馬をした後、最後の直線で他馬と接触。20頭立ての9着に敗れている。

  • ゴームリー(6月8日撮影)

  • タップリット(6月8日撮影)

この他、ケンタッキーダービーからベルモントSに直行してくるのが、ダービーでは道中の不利を克服して6着まで追い上げたT.プレッチャー厩舎のタンパベイダービー(G2)勝ち馬タップリット、ダービーでは好位からあっけなく後退したG.モーション厩舎のG2・2勝馬アイリッシュウォークライ、ダービーではスタートで立ち遅れて15着に敗れたD.ローマンズ厩舎のゴッサムS(G3)勝ち馬ジェイボーイズエコー、ダービーでは14着だったプレッチャー厩舎のルイジアナダービー(G2)入着馬パッチらである。

  • アイリッシュウォークライ(6月8日撮影)

  • ジェイボーイズエコー(6月7日撮影)

一方、三冠競走を走るのはベルモントSが初めてとなるのが、今年に入って3戦3勝のツイステッドトムだ。

2016年のエクリプス賞最優秀調教師を受賞した管理調教師C.ブラウンによってよく練られた戦略に従って競馬を使っているこのせん馬は、実はプリークネスSを制したクラウドコンピーティングと同厩舎でもあるのだが、明るい将来への期待感をおおいにたたえつつ大レースに臨むという点によって、プリークネスSを前にしたクラウドコンピューティングと、ベルモントSを前にしたツイステッドトムは、似たような雰囲気を醸し出している。

  • パッチ(6月8日撮影)

  • ツイステッドトム(6月6日)

エピカリスのベルモントS挑戦には、1989年のベルモントSで宿敵イージーゴアに敗れた(2着)、彼の祖父サンデーサイレンスの無念を晴らすという意味も込められている。

ベルモントパークは、日本調教馬がこのレースを制したら100万ドルのボーナスを支給することを約束している。すなわちエピカリスがベルモントSに優勝したら、180万ドル(1着賞金80万ドル+ボーナス100万ドル)もの賞金を手にするのである。エピカリスは、2014年のセレクトセ−ルにてノーザンファームに2600万円(税抜)で購買された馬と聞いている。その馬の通算収得賞金が、ベルモントSを勝てば300万ドルの大台にぐっと近づくのである。

  • 文:Michele MacDonald
  • 訳:合田直弘

Michele MacDonald(ミシェル・マクドナルド)

ミシェル・マクドナルドは、サラブレッドメディアの分野で、国際的に様々な役割を担ってきている。編集者、ライター、カメラマンとして活躍する一方、競馬場の広報担当を務めた経験もあり、また、競走馬の生産・所有も手掛けている。現在は、レーシングポストのアメリカ通信員の任にあり、また、ドバイのアルアディヤットやアルカーヤル、南アフリカを拠点とする国際競馬雑誌などにも、コラムニストとして、カメラマンとして参画している。

ご注意

当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

ページトップへ戻る
表示モード: