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有力馬主、種牡馬紹介

馬主(有力馬主、種牡馬紹介)

  • モハメド殿下Sheikh Mohammed bin Rashid Al Maktoum

    1949年7月15日生まれ。ドバイ出身。先々代のドバイ首長であるラシッド殿下の三男(4人兄弟)。2006年1月に長兄で先代のドバイ首長だったマクトゥーム殿下(英ダービー馬ラムタラや欧州年度代表馬ファンタスティックライトなどを生産)が死去したことに伴い、ドバイ首長の座に就き、UAE(アラブ首長国連邦)の副大統領と首相にも就任した。

    イギリス留学中に競馬に魅了され、1977年6月に所有馬ハッタで馬主としての初勝利を記録〔後にモールコームS(G3・イギリス)にも優勝〕。1981年にはイギリスに牧場(ダルハムホールスタッド)を購買して、本格的に生産もスタートさせた。当初は、主に個人名義で馬を所有しており、1985年の英1000ギニー、英オークス、英セントレジャー(以上、G1・イギリス)を制したオーソーシャープ、1985年のブリーダーズカップターフ(G1・アメリカ)、英チャンピオンS(G1・イギリス)を制した牝馬ペブルス、1993年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(G1・イギリス)勝ち馬オペラハウス、1996年のジャパンカップ(GI)を勝ったシングスピールなどがこの頃の代表的な名馬。イギリスのチャンピオンオーナーの座には1985年から1989年、1991年から1993年、1997年と計9度も就いた。なお、モハメド殿下の所有馬(2018年3月17日から後述するゴドルフィン名義に変更)はJRAでも活躍しており、2018年にスプリンターズS(GⅠ)と高松宮記念(GⅠ)を制して同年のJRA賞最優秀短距離馬に輝いたファインニードルなどが活躍している。

    1994年にはヨーロッパの冬の寒さを避け、温暖なドバイで馬を越冬させた後でヨーロッパに戻すという斬新なアイデアを実践するための組織として、ドバイを本拠地とするゴドルフィンを兄弟とともに始動。すると、同年にいきなりバランシーンで英オークスと愛ダービー(G1・アイルランド)を制するなど大成功を収め、以降、馬主としての軸足をゴドルフィンへと徐々に移していった。なお、ゴドルフィンは今では当初のコンセプトに留まらないワールドワイドな組織となっており、ヨーロッパやドバイのみならず、オーストラリア、アメリカ、そして日本などでも多くの馬を所有。2019年2月現在の現役競走馬は600頭を超える。

    ゴドルフィン名義の代表馬としては2000年のドバイワールドカップ(G1・UAE)を圧勝したドバイミレニアム、2001年の凱旋門賞(G1・フランス)を制したサキー、1997、1998年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSを連覇したスウェイン、2018年の英ダービー(G1・イギリス)を制したマサーなどがおり、これまでのG1勝利数は250以上。通算勝利数も5000を超える。日本でも前記したファインニードルのほか、1995年にはハートレイクが安田記念(GⅠ)を制している。イギリスのチャンピオンオーナーにはここ4年連続を含めて13回、アメリカのエクリプス賞最優秀馬主も2回輝いている。

    なお、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本に展開するダーレーはモハメド殿下が率いる生産組織だったが、2015年12月にはゴドルフィンの名の下に統合されることが発表され、同時にダーレーは種牡馬事業を宣伝するための名称となることが決まった。

    また、UAE、ドバイの競馬の発展にも力を入れ、1996年にはドバイワールドカップを創設。一流の競馬開催国に導く上で、極めて大きな役割を果たしている。

  • ハムダン殿下Sheikh Hamdan bin Rashid Al Maktoum

    1945年12月25日生まれ。ドバイ出身。現在のドバイ首長であるモハメド殿下の兄で、先々代の首長ラシッド殿下の次男。ドバイの副首長を務める。

    モハメド殿下と同じく、イギリス留学中に競馬に魅せられ、1980年7月に所有馬ムシュレフで初勝利を記録。1989年には自家生産馬のナシュワンで英2000ギニー、英ダービー、エクリプスS、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(以上、G1・イギリス)に優勝した。その後も1990年の英オークス(G1・イギリス)と愛ダービー(G1・アイルランド)を制したサルサビル、同年にスプリントカップ(イギリス)、アベイドロンシャン賞(フランス)などG1・3勝を挙げたデイジュール、1994年の英ダービーの勝ち馬エルハーブ、2006年のブリーダーズカップクラシック(G1・アメリカ)に優勝し、2007年のドバイワールドカップ(G1・UAE)も制したインヴァソール、2014年の英オークスとキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSを制したタグルーダなど数多くの名馬を所有(法人名義であるシャドウェルステーブルも含む)。現在は350頭ほどの現役競走馬を世界中で走らせている。イギリスのチャンピオンオーナーには直近の2014年も含め6度、アメリカのエクリプス賞最優秀馬主にも1度輝いている。

    早くから生産にも力を注いでおり、現在はイギリスのシャドウェルエステイト、アイルランドのデリンズタウンスタッド、アメリカのシャドウェルファームなど大規模な牧場を所有。これまで前記したナシュワン、エルハーブ、タグルーダなど数多くのG1馬を生産し、ゴドルフィンの所有馬として2001年の凱旋門賞(G1・フランス)を制したサキーも生産馬だった。

  • モハメド・ビン・ハリファ殿下Sheikh Mohammed bin Khalifa Al Maktoum

    ドバイ出身。現在のドバイ首長であるモハメド殿下や同副首長であるハムダン殿下のいとこにあたり、ドバイの国土庁の長官を務める。なお、アラブ人には姓がなく、モハメド・ビン・ハリファ殿下の場合は、モハメドが本人の名前。しかしモハメド殿下と表記すると、いとことの間で区別がつかなくなってしまうので、ここではモハメド・ビン・ハリファ殿下と表記した。ちなみに、「ビン・ハリファ」は「ハリファの息子」、最後の「アル・マクトゥーム」とは「マクトゥーム家の」という意味である。

    アラブ馬によるエンデュランス馬術競技やラクダ競走に情熱を燃やしていたモハメド・ビン・ハリファ殿下が初めてサラブレッドを所有したのは1996年のこと。ハムダン殿下からのプレゼントだった。
    その後、ニュージーランドで購買したサークライヴで2000年のニュージーランドダービー(G1・ニュージーランド)と2001年のAJCダービー(G1・オーストラリア)でともに2着に入ると競馬熱が高まり、オーストラリア、ドバイ、南アフリカを中心にオペレーションを展開。2007年にはアルゼンチンで購買したアジアティックボーイで史上初めてUAE2000ギニー(G3・UAE)、アルバスタキヤ(一般戦)、UAEダービー(G2)のUAE三冠を制覇し、翌年にはアーキペンコで香港のクイーンエリザベスⅡ世カップ(G1)に優勝した。

    その後も2008年の香港カップ(G1・香港)を制したイーグルマウンテン、2010年のシンガポールエアラインズインターナショナルカップ(G1・シンガポール)を勝ったリザーズディザイア、2011年に南アフリカ史上初となる牝馬三冠〔ハウテンフィリーズギニー(G2)、南アフリカフィリーズクラシック(G1)、南アフリカオークス(G2)〕を達成したほか、同年のダーバンジュライと翌年のJ&Bメット(ともにG1・南アフリカ)を制したイググ、2015年のブルーダイヤモンドS(G1・オーストラリア)に優勝したプライドオブドバイ、2017年のオーサムアゲインS(G1・アメリカ)を勝ち、2016年のドバイワールドカップ(G1・UAE)2着、2018年の同レース3着のムブタヒージ、2017年のサンタマルガリータSや2018年のゼニヤッタS(ともにG1・アメリカ)を制したヴァレドーリなどが活躍を見せている。

文:秋山 響(TPC)

(2019年3月現在)

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