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特別レース名解説 5回 東京競馬
【第1日】 11月7日(土)
●百日草(ひゃくにちそう)特別
 百日草は、キク科の一年草。メキシコ原産で日本には江戸時代の末期に伝わった。花色は紅・紫・白・黄など多彩。開花時期が初夏から晩秋までと長いことからこの名が付いたと言われる。花言葉は「不在の友を思う」「幸福」「絆」。

●ユートピア(Utopia)ステークス
 ユートピアは、「空想上の理想的な社会」「理想郷」の意味の造語。ギリシャ語の「どこにもない(ou)場所(topos)」と、「良い(ep)場所(topos)」とを結び付けて造られた。イギリスの思想家トマス・モア(Thomas More)が、著書『ユートピア』の中で描いた法律・政治面などで完全無欠の理想的な社会の名に由来する。

●東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(GIII)
 本競走は、平成8年に創設された3歳以上馬によるダートの重賞競走。当初は2,100mの別定戦で行われていたが、12年にダート競走体系の整備が進められ、『ジャパンカップダート(GI)』が創設されたことに伴い1,600mに変更となった。また施行時期が従来の春季から秋季へ移設され、GI競走につながるステップ競走として位置付けられた。
 東京中日スポーツは、中日新聞東京本社が発行するスポーツ紙。本競走は、同社からの寄贈賞を受けている。
 武蔵野は、東京都と埼玉県にまたがる洪積台地。南は多摩川から、北は川越市付近まで広がる。また、東京都中部にある市名。

【第2日】 11月8日(日)
●立冬(りっとう)特別
 立冬は、二十四節季のひとつで、冬の始まりを意味する。天文学的には太陽の黄経が225度の時で、現行暦では11月7日頃に当たる。

●赤富士(あかふじ)ステークス
 赤富士は、早暁のわずかな時間に富士山が朝日に照らされ赤く染まる現象。晩夏から初秋にかけて見ることができる。葛飾北斎の『凱風快晴』を始めとして、多くの絵画の題材に用いられている。

●アルゼンチン共和国杯(GII)
 本競走は、昭和38年に日本とアルゼンチンの友好と親善の一環として、アルゼンチン・ジョッキークラブから優勝カップの寄贈を受け、『アルゼンチンジョッキークラブカップ競走』として創設された。49年にアルゼンチンの競馬がジョッキークラブから国の管轄に移管されたことに伴い、その翌年から現在の名称となった。創設時は4歳以上、2,300mの別定重量戦であったが、幾度かの条件変更を経て3歳以上、2,500mのハンデキャップ競走となり、現在に至っている。

【第3日】 11月14日(土)
●山中湖(やまなかこ)特別
  山中湖は、山梨県南都留郡に位置する淡水湖。湖面の面積は約6.8km2と富士五湖で最大の広さを誇る。また、標高約981mで同五湖最高地点に位置する。周囲を山に囲まれており、木立の中には別荘地やペンションが、湖畔には観光施設が建ち並ぶ。

●晩秋(ばんしゅう)特別
 晩秋は、陰暦9月の異称。秋の終わりの頃を指す。「晩秋の候」などと時候の挨拶にも用いられる。

●京王杯2歳ステークス(JpnII)
 本競走は、昭和40年に『京成杯3歳ステークス』として創設された競走。当初は中山競馬場の1,200mで争われていたが、55年に東京競馬場の1,400mに改められた。その後、平成10年に京王電鉄株式会社より寄贈賞を受けたことに伴い、現在の名称に改称された。
 京王電鉄は、東京都多摩市に本社を置く鉄道会社。

【第4日】 11月15日(日)
●赤松(あかまつ)賞
 赤松は、マツ科の常緑針葉樹。赤褐色の樹皮が特徴。全国の山野、特に内陸部に広く分布しており、防風林として植林される他、庭木として栽培される。黒松が「雄松(おまつ)」と呼ばれるのに対して、赤松は「雌松(めまつ)」と呼ばれる。

●ノベンバー(November)ステークス
 ノベンバーは、英語で11月のこと。本来、「9番目の月」を意味するが、古代ローマでは3月起算の暦を採用していたため3月から数えて9番目の月ということで現行暦では11月となっている。

●オーロ(Oro)カップ
 本競走は、盛岡競馬場と東京競馬場の姉妹提携を記念して、また、地方競馬と中央競馬の友好・親善を図ることを目的として平成8年に創設された競走。盛岡競馬場のある岩手県は「チャグチャグ馬コ」等に象徴されるように古くから馬事文化を培ってきた。同競馬場には、地方競馬唯一の芝コースがある。
 競走名の「オーロ」とは、同競馬場の呼称である「オーロパーク」を指し、ラテン語で「黄金」を意味する。

【第5日】 11月21日(土)
●秋陽(しゅうよう)ジャンプステークス
 秋陽は、秋の陽射しのこと。絵画、写真などの芸術や短歌、俳句などの文学において、秋陽をテーマとした多くの作品を見ることができる。

●国立(くにたち)特別
  国立は、東京都の中央部に位置する市。面積は8.15km2で、全国の市では5番目に小さい。市制施行は昭和42年。名は、大正15年(1926)に中央線の国分寺駅・立川駅の間に2つの駅名の頭文字を取った「国立駅」が開業したことに由来する。駅から南に伸びる大学通りは桜やいちょうなどの木で彩られている。

●銀嶺(ぎんれい)ステークス
 銀嶺は、雪が降り積もって銀色に輝く嶺(みね)のこと。

●東京スポーツ杯2歳ステークス(JpnIII)
 本競走は、昭和41年に創設された『東京3歳ステークス』を前身とする競走。43年より『府中3歳ステークス』と名称が改められ、59年には距離が1,800mとなった。平成8年に重賞競走に格上げされ、さらに9年より『東京スポーツ杯3歳ステークス』に名称が変更された。
 東京スポーツ新聞社は、東京都江東区に本社を置く新聞社。本競走は、同社からの寄贈賞を受けている。

【第6日】 11月22日(日)
●tvk賞
 tvkは、横浜市に本社を置くテレビ神奈川の略称。昭和47年の開局。本競走は、平成2年に同社から寄贈賞を受けて創設された。

●奥多摩(おくたま)ステークス
 奥多摩は、東京都西多摩郡にある町名およびその周辺部の山域。自然豊かな地域で、登山コースとして有名な御岳山や雲取山、関東最大級の規模を誇る日原鍾乳洞など多くの観光スポットが存在する。

●霜月(しもつき)ステークス
 霜月は、陰暦11月の異称。現行暦では12月頃になる。霜が降りる月のため「霜降月(しもふりづき)」と言っていたものが、のちに省略して「霜月」と呼ばれるようになった。

【第7日】 11月28日(土)
●セレブレイション(Celebration)賞
 セレブレイションは、英語で「式典」「祝賀会」「称賛」を意味する言葉。また、語源を同じくする言葉に、「名声」「名士」を意味する「セレブリティ(Celebrity)」がある。

●オリエンタル(Oriental)賞
 オリエンタルは、英語で「東洋的」「東洋風」を意味する言葉。また、「(宝石が)上質の、光沢が美しい」という意味もある。

●キャピタル(Capital)ステークス
 キャピタルは、英語で「首府」「首都」「(中央官庁のある)都市」を意味する言葉。東京競馬場が、日本の首都・東京に位置することから、本競走が創設された。

【第8日】 11月29日(日)
●ベゴニア(Begonia)賞
 ベゴニアは、シュウカイドウ科ベゴニア属の植物の総称。原種は熱帯・亜熱帯に分布し、その数は2,000種余と言われている。葉は左右不相称で、色彩・模様・形状など変化に富み、花色も淡紅色、白、黄、赤、紫など多彩。花言葉は「愛の告白」「親切」「片思い」。
 
●シャングリラ(Shangrila)賞
 シャングリラは、英語で「理想郷」を意味する言葉。イギリスの作家ジェームス・ヒルトン(James Hilton)の小説『失われた地平線』の中に登場する理想郷の名に由来する。同小説では、不時着した飛行機から脱出した人々が目指す地として描かれている。中国の桃源郷伝説と結びつけて語られることが多い。

●ウェルカム(Welcome)ステークス
 ウェルカムは、英語で「歓迎」を意味する言葉。ジャパンカップに出走する外国馬やその関係者に対しての歓迎の意味が込められている。

●ジャパン・オータムインターナショナル ジャパンカップ(GI)
 本競走は、昭和50年代前半に「世界に通用する強い馬づくり」が提唱され、日本でも国際競走を施行し、外国から強豪を招待して我が国のサラブレッドと競わせようという機運が盛り上がり、56年に創設された。初年度はアメリカ、カナダ、インド、トルコ(招待馬デルシムは来日後故障のため不参加)の4ヶ国から合計8頭を招待して施行された。第2回からはヨーロッパとオセアニア地区も招待の対象とし、参加国の多彩さで世界一の競走と呼ばれるようになり、競馬のオリンピックとして評価を高めた。近年では、ヨーロッパを中心とした有力馬の参加により、主要な国際競走の一つとして認知されている。

●アプローズ(Applause)賞
 アプローズは、英語で「拍手」「喝采」を意味する言葉。数多くの競走馬の中で激戦を勝ち抜いた者に送る言葉として、まさにこの名が当てはまる。