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セオリー無視の破天荒なレース振り
昭和58年菊花賞 ミスターシービー



【誰もが痺れたスリリングなレース運び】
ミスターシービーはJRA史上3頭目の三冠馬だ。競走生活の晩年は1歳下の三冠馬シンボリルドルフの登場により栄光の座から引きずり下ろされた感があるが、ファンの人気といった面では引退まで後輩三冠馬の追随を許さなかった。ミスターシービーの魅力は、美しい瞳と均整の取れた黒鹿毛の好馬体。そして、その姿からは想像もできない破天荒なレース振りにある。道中は最後方付近を静かに追走し、主戦の現調教師・吉永正人のゴーサインを受けると一転、レースを後方から津波のような勢いで動かし、そして突き抜ける。そんな芸当を断然人気のビッグレースでやってしまうのだから、本当に凄い馬だった。

【ミスターシービーの魅力が詰まった菊花賞】
泥田のような不良馬場を豪快に差し切った皐月賞、3コーナーからのロングスパートでライバルたちをねじ伏せた日本ダービーも凄いレースだったが、ミスターシービーの魅力が最も詰まったレースと言えば、やはり三冠達成の舞台となった菊花賞ではないだろうか。夏風邪が長引いた影響で調整が遅れ、秋初戦の京都新聞杯で4着と苦杯を嘗めたミスターシービーだが、ファンは春の二冠を制した同馬の豪脚を信じ、単勝2.1倍の圧倒的な人気に支持した。スタートが切られると、ミスターシービーのポジションは後方から2番手。気合を付ければ引っ掛かる心配もあり、吉永は道中の位置取りを馬の行く気に任せた。レースはアスコットエイトが引っ張る速い流れ。吉永は2コーナーに入ると馬場の荒れた内を避け、徐々にミスターシービーを外へと出して行く。そして、3コーナーへと向かう坂の手前。レースの流れを正確につかもうと周囲を見渡した吉永は、そこでアテイスポート騎乗の菅原泰夫と目が合った。吉永にはその瞬間、菅原が「マアちゃん(吉永)、行け!」と言っているように感じたのだという。

【セオリー破りの早仕掛けで圧勝】
“ゆっくり上がって、ゆっくり下る”のがセオリーと言われる京都の坂。しかし、吉永はこの上りでミスターシービーにゴーサインを出した。爆発の瞬間をじっと待っていたミスターシービーは、吉永の指示に即座に反応。後方から先行各馬を次々と抜き去り、3コーナー過ぎには早くも先頭に並びかけた。「早すぎる!」多くのファンが叫び、大金星を狙うライバル馬の騎手たちは勝機を見出したとばかりに手綱に力を込める。しかし、直線入口で先頭に立ったミスターシービーは、バテるどころか力強い伸び脚で逆に後続との差を広げ、そのまま2着ビンゴカンタに3馬身のリードを取ってゴールを駆け抜けた。シンザン以来、19年振りとなる三冠の偉業。場内のファンのどよめきはしばらく収まらなかったが、それは三冠達成よりも、ミスターシービーの信じられないレース振りに驚き、酔ったファンの声だった。三冠がかかる大舞台で、愛馬の力を信じ切った大胆なレース運びを見せた吉永と、それに見事こたえたミスターシービー。競馬史に残る坂の上りのロケットスパートは、とにかく必見である。





S58 菊花賞


S38 日本ダービー メイズイ
S40 有馬記念 シンザン
S42 阪神大賞典 キーストン
S47 日本ダービー ロングエース
S48 弥生賞 ハイセイコー
S48 日本ダービー タケホープ
S50 桜花賞 テスコガビー
S51 朝日杯3歳S マルゼンスキー
S52 有馬記念 テンポイント
S56 ジャパンC メアジードーツ
S58 菊花賞 ミスターシービー
S59 ジャパンC カツラギエース
S59 有馬記念 シンボリルドルフ
H01 ジャパンC ホーリックス
H02 有馬記念 オグリキャップ
H05 有馬記念 トウカイテイオー
H08 阪神大賞典 ナリタブライアン
H10 毎日王冠 サイレンススズカ
H11 有馬記念 グラスワンダー
H12 有馬記念 テイエムオペラオー
H13 JCダート クロフネ
 
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 1983年 第44回 菊花賞

3246 1983年11月13日
5回京都4日10R
  3000m
 芝・右外
  天候:曇 
  芝:良 
  発走 15時 35分

本賞
64,000,000円 26,000,000円  16,000,000円  9,600,000円   6,400,000円
付加賞
6,628,300円 1,893,800円 946,900円
 







馬 名


騎手名
調教師名
タイム
着差
単勝
人気
1
4
9
ミスターシービー

4
 
吉永 正人
松山 康久
3:08.1

(1)
2
7
16
ビンゴカンタ

4
 
岡部 幸雄
鈴木 清
3:08.6

(3)
3
7
17
シンブラウン

4
 
岩元 市三
布施 正
3:08.6
ハナ
(14)
4
3
7
リードホーユー

4
 
田島 良保
服部 正利
3:08.7
3/4
(5)
5
5
10
ダイゼンキング

4
 
田原 成貴
中村 好夫
3:09.4

(6)
6
6
14
ヤマノテスコ

4
 
武 邦彦
武田 作十郎
3:09.4
ハナ
(12)
7
1
2
チヨノカチドキ

4
 
猿橋 重利
安藤 正敏
3:09.5
クビ
(21)
8
8
19
バンブトンゲート

4
 
伊藤 清章
伊藤 修司
3:09.6
1/2
(17)
9
3
8
ウメノシンオー

4
 
増沢 末夫
古賀 一隆
3:09.7
3/4
(10)
10
2
5
マンノタロ

4
 
河内 洋
武田 作十郎
3:09.8
3/4
(4)
11
6
15
ブルーダーバン

4
 
柴田 政人
二本柳 俊夫
3:10.2
2・1/2
(13)
12
5
11
ワイドオー

4
 
川端 義雄
内藤 繁春
3:10.2
アタマ
(7)
13
8
21
ワンアイドダイナ

4
 
田島 信行
服部 正利
3:10.2
アタマ
(19)
14
6
13
ウィンディシャダイ

4
 
加藤 和宏
二本柳 俊夫
3:10.4
1・1/4
(9)
15
3
6
ルーキーオー

4
 
南井 克巳
中村 好夫
3:10.6
1・1/4
(20)
16
2
3
タマモコンコルド

4
 
村本 善之
吉永 猛
3:10.9
1・3/4
(18)
17
5
12
ドウカンヤシマ

4
 
大塚 栄三郎
田中 朋次郎
3:11.6

(8)
18
1
1
アテイスポート

4
 
菅原 泰夫
野平 好男
3:11.7
1/2
(15)
19
8
20
ヤマトストリーム

4
 
松田 幸春
大久保 正陽
3:11.9
1・1/4
(16)
20
7
18
カツラギエース

4
 
西浦 勝一
土門 一美
3:12.6

(2)
21
2
4
アスコットエイト

4
 
五十嵐 忠男
清水 久雄
3:16.2
大差
(11)

(年齢は旧表記)