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幻の最強馬が本気になったレース
昭和51年朝日杯3歳S マルゼンスキー



【母シルとの出会い】 バックパサー産駒の牝馬シルは不出走ながら、その母は米牝馬二冠を制し、繁殖牝馬としても愛米のビッグレースを勝ったコーカサスを出すなど大成功した名牝キル。そのシルがお腹にニジンスキーの子を宿して米キーンランドのセールに登場したとき、橋本善吉氏と本郷重彦調教師はその姿に一目惚れした。そして30万ドル、当時のレートでおよそ9000万円もの金額で競り落とした。このシルが日本に輸入され、生まれたニジンスキー産駒の牡馬が、中央競馬で8戦8勝の大活躍を見せることになる名馬マルゼンスキーだ。

【生涯一度だけ目一杯の仕上げで臨んだ朝日杯3歳S】
マルゼンスキーについては、一度も本気で走ったことがないとも、100%の仕上げで出走したことがないとも言われるが、馬はともかく、人間側が本気になったレースがひとつだけある。それが、デビュー4戦目の朝日杯3歳Sだ。
前脚の外向のため、強い調教をやれば故障の危険性があるだけに、本郷師は常に6分から7分の仕上げでレースに使っていたというが、朝日杯3歳Sでは、「このレースだけは絶対に勝ってくれ」とオーナーの橋本氏に強く頼まれ、マルゼンスキーを目一杯に仕上げたのである。

【生まれた時代の不運】
昭和32年のダービー馬ヒカルメイジ、昭和48年に春の天皇賞を制したタイテエムなど、もともと持込馬は内国産馬として走っていた。しかし活馬(生きている馬)の輸入が自由化となった昭和46年、内国産馬保護政策により、輸入自由化以降の持込馬については外国産馬と同様の出走制限を受けることとなる。(※昭和59年より再び持込馬は普通の内国産馬と同等に扱われるようになる) マルゼンスキーが生まれたのは、まさにこの持込馬不遇の時代であった。
脚元の影響でただでさえ仕上げが難しいマルゼンスキーだが、関係者は数少ない混合戦を選びレースを使った。しかし、明けて4歳になれば同世代の強豪たちはマルゼンスキーが出走できないクラシックロードを歩み始める。
“クラシックを目標にする馬たちが出走してくる朝日杯で、マルゼンスキーの桁外れの強さを見せつけてやりたい”
オーナーがそう考えるのは、当然のことだったろう。

【2着に2秒2差、桁外れの勝ちっぷり】
目一杯に仕上げてのレース。マルゼンスキーはとてつもなく強かった。抜群のスピードで先頭に立つと、直線を待たずに独走態勢。2着ヒシスピードに2秒2差を付け、芝1600m・1分34秒4の3歳レコード(当時)をマーク。まさに、ため息の漏れるような勝ちっぷりだった。
「3コーナー過ぎからは、後ろの馬の脚音が聞こえなかった」
レース後の中野渡騎手はその強さをこう表現したが、それでも、8〜9分の競馬で目一杯に追ったわけではないという。幻の最強馬が本気に近い走りを見せた唯一のレース、朝日杯3歳S。6頭立てと頭数は少ないが、その迫力は十分に伝わるはずだ。


(年齢は旧表記)





S51 朝日杯3歳S

動画の掲載は、2004年
をもって終了しました

S38 日本ダービー メイズイ
S40 有馬記念 シンザン
S42 阪神大賞典 キーストン
S47 日本ダービー ロングエース
S48 弥生賞 ハイセイコー
S48 日本ダービー タケホープ
S50 桜花賞 テスコガビー
S51 朝日杯3歳S マルゼンスキー
S52 有馬記念 テンポイント
S56 ジャパンC メアジードーツ
S58 菊花賞 ミスターシービー
S59 ジャパンC カツラギエース
S59 有馬記念 シンボリルドルフ
H01 ジャパンC ホーリックス
H02 有馬記念 オグリキャップ
H05 有馬記念 トウカイテイオー
H08 阪神大賞典 ナリタブライアン
H10 毎日王冠 サイレンススズカ
H11 有馬記念 グラスワンダー
H12 有馬記念 テイエムオペラオー
H13 JCダート クロフネ
 
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 1976年 第28回 朝日杯3歳ステークス

3441 1976年12月12日
5回中山4日9R
  1600m
  芝・右外     
  天候:晴 
  芝:良 
  発走 14時 45分

本賞
  19,000,000円   7,600,000円   4,800,000円   2,900,000円   1,900,000円
付加賞
  58,800円   16,800円   8,400円
 







馬 名


騎手名
調教師名
タイム
着差
単勝
人気
1
6
6
マルゼンスキー

3
 
中野渡 清一
本郷 重彦
1:34.4
レコード
(1)
2
1
1
ヒシスピード

3
 
小島 太
高木 嘉夫
1:36.6
大差
(2)
3
4
4
キクアサジロウ

3
 
安田 富男
加藤 朝治郎
1:37.2
3・1/2
(5)
4
5
5
インタースペンサー

3
 
大崎 昭一
柴田 寛
1:37.4
1・1/4
(6)
5
2
2
ソーウンムサシ

3
 
加賀 武見
阿部 正太郎
1:37.5
クビ
(4)
6
3
3
アローバンガード

3
 
柴田 政人
高松 三太
1:38.8

(3)

(年齢は旧表記)