その姿形や、能力から察するところ、おそらくはサラブレッドなのだろうけれども、血統を証明する手立てのない先祖がいるため、サラブレッドとして認められない馬がいる。
 それらの馬は、日本では「サラ系」と呼ばれるが、戦後になっても大物がかなり出ていた。
 たとえば昭和30年代ならキタノオー(菊花賞)、キタノオーザ(菊花賞)、アイテイオー(オークス)……。昭和40年代ならシーエース(桜花賞)、ヒカルイマイ(皐月賞、日本ダービー)、ランドプリンス(皐月賞)……。これらはサラ系のクラシック馬として有名である。
 しかし昭和50年代後半になると、サラ系は「もはや時代の遺物」とされ、急速に衰退していく。
 そんな中、地方から身を起こし、わずか数か月で中央の頂点にのぼりつめ、サラ系の意地を見せたのがヒカリデユールだった。いま紹介したアイテイオーを祖母にもち、近親にはキタノオー、キタノオーザがいた。
 地方の成績は、大井、川崎、船橋、中京、名古屋、笠松と転戦し、通算38戦7勝。重賞は東海桜花賞を勝った程度で、中央入りしたとき、とくに注目を集めたわけではない。
 だが、いきなり朝日チヤレンジCを勝って、秋の天皇賞でメジロティターンの2着。続くジヤパンカツプでは日本馬最先着の5着に入って驚かせた。
 地方出身馬とはいえ、母系はクラシック馬が何頭も名を連ねるサラ系の名牝系である。ダートよりも、明らかに芝向きだったのだろう。
 事実、有馬記念ではアンバーシャダイを、とても届きそうにない位置から強襲する劇的な勝利。これが決め手となり、堂々の年度代表馬に選ばれた。
 地方出身馬に特有の野武士のイメージがありながら、パフォーマンスの派手さは、エリートそのものだった。短期間で引退したにもかかわらず、妙に強く印象に残っているのは、そのアンバランスさが魅力だったせいかもしれない。

  (吉沢譲治)

ヒカリデユール
牡馬 黒鹿毛

昭和52年3月6日生まれ
馬主 橋本善吉氏
デュール
1961 黒鹿毛
Round Table
1954 鹿毛
Lea Moon
1955 黒鹿毛
アイテイグレース
1967 栃栗毛
ゲイタイム
1949 栗毛
アイテイオー
1960 黒鹿毛

全成績 通算 公営38戦7勝 中央7戦3勝
  年月日 レース名 距 離 着順 騎 手 タイム 調教師
01 1979.07.15 大 井 3歳新馬 D1000 3 西川 栄二 1.02.5 飯野 貞次
02 1979.08.03 大 井 3歳63万下 D1000 2 高橋 三郎 1.01.3 飯野 貞次
03 1979.08.26 大 井 3歳140万下 D1000 4 高橋 三郎 1.01.9 飯野 貞次
04 1979.09.24 大 井 3歳145万下 D1200 1 高橋 三郎 1.14.8 飯野 貞次
05 1979.10.13 大 井 コスモス特別 D1400 6 高橋 三郎 1.29.6 飯野 貞次
06 1979.10.26 大 井 ゴールドジュニアー D1400 6 西川 栄二 1.28.9 飯野 貞次
07 1979.11.11 大 井 黄菊特別 D1500 4 高橋 三郎 1.36.2 飯野 貞次
08 1979.11.30 大 井 3歳382万下特別 D1500 4 西川 栄二 1.36.2 飯野 貞次
09 1979.12.15 大 井 ポインセチア特別 D1500 3 佐々木 忠昭 1.35.5 飯野 貞次
10 1979.12.20 川 崎 3歳320万上 D1500 5 高橋 三郎 1.38.2 飯野 貞次
11 1980.01.16 大 井 桜草特別 D1500 1 高橋 三郎 1.35.6 飯野 貞次
12 1980.01.31 大 井 ゴールデンステッキ賞 D1700 8 西川 栄二 1.47.9 飯野 貞次
13 1980.02.22 大 井 京浜盃 D1700 7 佐々木 忠昭 1.48.5 飯野 貞次
14 1980.02.28 川 崎 すみれ特別 D1600 4 高橋 三郎 1.43.1 飯野 貞次
15 1980.03.13 大 井 若駒特別 D1700 1 佐々木 忠昭 1.46.7 飯野 貞次
16 1980.03.28 大 井 雲取賞 D1600 5 佐々木 忠昭 1.41.1 飯野 貞次
17 1980.04.11 大 井 黒潮盃 D1800 4 佐々木 忠昭 1.56.0 飯野 貞次
18 1980.05.14 大 井 羽田盃 D2000 4 佐々木 忠昭 2.05.8 飯野 貞次
19 1980.06.12 大 井 東京ダービー D2400 4 佐々木 忠昭 2.33.0 飯野 貞次
20 1980.07.14 大 井 シーサイドC D1600 9 佐々木 忠昭 1.38.9 飯野 貞次
21 1980.08.24 船 橋 開設30周年記念 D1700 4 石崎 隆之 1.45.5 出川 己代造
22 1980.09.19 大 井 オータムC D2000 7 石崎 隆之 2.05.5 出川 己代造
23 1980.09.29 大 井 いちょう賞 D1800 3 石崎 隆之 1.52.7 出川 己代造
24 1980.10.23 大 井 東京王冠賞 D2600 2 石崎 隆之 2.45.4 出川 己代造
25 1980.11.10 川 崎 戸塚記念 D2000 5 石崎 隆之 2.07.9 出川 己代造
26 1980.12.09 大 井 隅田川賞 D1800 7 田部 和広 1.53.7 出川 己代造
27 1980.12.25 大 井 東京大賞典 D3000 11 石崎 隆之 3.13.7 出川 己代造
28 1981.02.10 大 井 金 盃 D2000 14 石崎 隆之 2.06.7 出川 龍一
29 1981.02.26 大 井 ロイヤルC D1600 3 石崎 隆之 1.39.9 出川 龍一
30 1981.03.29 中 京 ブラッドストーン特別 1800 3 田中 敏和 1.50.4 野島 豊
31 1981.04.12 名古屋 ダイヤモンド特別 D1900 1 田中 敏和 2.03.4 野島 豊
32 1981.05.05 中 京 東海桜花賞 2000 1 田中 敏和 2.00.8 野島 豊
33 1981.09.20 名古屋 東海キング D1800 4 下窪 道盛 1.57.1 野島 豊
34 1981.10.04 笠 松 オータムC D1900 1 田中 敏和 2.04.0 野島 豊
35 1981.11.03 名古屋 東海菊花賞 D2400 6 田中 敏和 2.38.6 野島 豊
36 1981.12.09 名古屋 東海キング D1800 1 田中 敏和 1.56.3 野島 豊
37 1982.05.23 名古屋 エメラルド特別 D1900 3 田中 敏和 2.02.3 野島 豊
38 1982.06.13 名古屋 東海キング D1800 3 田中 敏和 1.56.2 野島 豊
39 1982.09.19 阪 神 朝日チャレンジC 2000 1 河内 洋 2.00.5 須貝 彦三
40 1982.10.31 東 京 天皇賞(秋) 3200 2 河内 洋 3.18.1 須貝 彦三
41 1982.11.28 東 京 ジャパンC 2400 5 河内 洋 2.27.4 須貝 彦三
42 1982.12.26 中 山 有馬記念 2500 1 河内 洋 2.36.7 須貝 彦三
43 1983.02.27 阪 神 5歳上オープン 1800 3 河内 洋 1.49.6 須貝 彦三
44 1983.04.03 阪 神 サンケイ大阪杯 2000 1 河内 洋 2.03.3 須貝 彦三
45 1983.04.29 京 都 天皇賞(春) 3200 -- 河内 洋 競走中止 須貝 彦三

(年齢は旧表記)






ヒカリデユール号 栄光の軌跡
(協力:フジテレビ、関西テレビ)

01 サクラローレル
02 シンザン
03 リユウフオーレル
04 タケホープ
05 コレヒデ
06 エルコンドルパサー
07 オートキツ
08 タケシバオー
09 ハイセイコー
10 サクラスターオー
11 メイズイ
12 マヤノトップガン
13 オンスロート
14 コダマ
15 メジロラモーヌ
16 トウショウボーイ
17 ハクチカラ
18 イナリワン
19 カブラヤオー
20 グランドマーチス
21 エアグルーヴ
22 ミスターシービー
23 ホマレボシ
24 ミホノブルボン
25 ウイルデイール
26 テイエムオペラオー
27 マルゼンスキー
28 セイユウ
29 ダイナガリバー
30 オンワードゼア
31 ホウヨウボーイ
32 メジロマックイーン
33 グリーングラス
34 ジャングルポケット
35 シンボリルドルフ
36 アサカオー
37 ヒカリデユール
38 セントライト
39 ビワハヤヒデ
40 タイキシャトル
41 ハクリヨウ
42 トウメイ
43 ナリタブライアン
44 タマモクロス
45 カネミノブ
46 スピードシンボリ
47 オグリキャップ
48 トウカイテイオー
49 キタノカチドキ
50 メイヂヒカリ
51 イシノヒカル
52 テンポイント
 
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