テイエムオペラオーは、飛び切りの「安定感」を感じさせる馬だった。日ごろの素直さ、レース当日の落ち着きといった精神面や、もちろん競走成績の数字の上でも……。
 その全競走生活において一度たりとも掲示板を外すことなく、「凡走も惨敗もなし」といってよい成績を収めている。
 平成11(1999)年、皐月賞馬として二冠奪取を目指したダービーでは、アドマイヤベガから遅れること0秒3差の3着。菊花賞ではナリタトップロードに0秒1差の2着。年上の強豪と戦った有馬記念でも、僅差の3着。当時のテイエムオペラオーに、筆者などはもどかしさを感じていたものだ。能力は間違いなくあるのに、勝ち切るためには、まだ何かが欠けているんだな……、と。
 ところが翌平成12(2000)年には、8戦8勝(GT5勝)のパーフェクトな成績を収め、憎らしいまでに「勝ち切る」馬に変貌を遂げるのだ。しかも天皇賞(春)も、宝塚記念も、ジャパンカップも、0秒1差以内での僅差勝ち、有馬記念に至っては、ハナ差の決着だった。きわどい勝負でも必ず勝つ馬、というイメージが不動のものになっていった。さらに印象的なのは、ほとんどのGTレースにおいて、接戦の相手がメイショウドトウだったということ。「ああ、またこの組み合わせかぁ」と、妙なため息をもらしたのは、おそらく筆者だけではなかったはずだ。
 そんな8戦8勝の年が終わるころ、テイエムオペラオーの海外遠征を見てみたい、という声が競馬サークル内外に沸き起こった。
 陣営では様々のリスクを考慮して遠征には踏み切らなかったわけだが、それもひとつの見識として認めるべきだろう。ただ、これほどの名馬が国内で示し続けた飛び切りの「安定感」は、哀しいかな、多くのファンのこころを鷲掴みにするまでには至らなかった気がする。それは、極めてドメスティックなヒーローとしての宿命なのかもしれなかった。またしかし、彼がわれわれの胸に残した「栗色の輝き」は、今も決して色あせることはない。昨年生まれた産駒たちの競馬場に登場する日が、楽しみである。

  (渡瀬夏彦)

 SPECIAL MOVIE

H11 皐月賞
H12 天皇賞(春)
H12 宝塚記念
H12 天皇賞(秋)
H12 ジャパンカップ
H12 有馬記念
H13 天皇賞(春)

テイエムオペラオー
牡馬 栗毛

平成8年3月13日生まれ
馬主 竹園正繼氏
オペラハウス
1988 鹿毛
Sadler's Wells
1981 鹿毛
Colorspin
1983 鹿毛
ワンスウェド
1984 栗毛
Blushing Groom
1974 栗毛
Noura
1978 黒鹿毛

全成績 通算 26戦14勝
  年月日 レース名 距 離 着順 騎 手 タイム 調教師
01 1998.08.15 京 都 3歳新馬 新馬 1600 2 和田 竜二 1.36.7 岩元 市三
02 1999.01.16 京 都 4歳未勝利 未勝 D1400 4 和田 竜二 1.28.0 岩元 市三
03 1999.02.06 京 都 4歳未勝利 未勝 D1800 1 和田 竜二 1.55.6 岩元 市三
04 1999.02.27 阪 神 ゆきやなぎ賞 500 2000 1 和田 竜二 2.05.3 岩元 市三
05 1999.03.28 阪 神 毎日杯 GIII 2000 1 和田 竜二 2.04.1 岩元 市三
06 1999.04.18 中 山 皐月賞 GI 2000 1 和田 竜二 2.00.7 岩元 市三
07 1999.06.06 東 京 東京優駿 GI 2400 3 和田 竜二 2.25.6 岩元 市三
08 1999.10.10 京 都 京都大賞典 GII 2400 3 和田 竜二 2.24.4 岩元 市三
09 1999.11.07 京 都 菊花賞 GI 3000 2 和田 竜二 3.07.7 岩元 市三
10 1999.12.04 中 山 ステイヤーズS GII 3600 2 和田 竜二 3.46.2 岩元 市三
11 1999.12.26 中 山 有馬記念 GI 2500 3 和田 竜二 2.37.2 岩元 市三
12 2000.02.20 京 都 京都記念 GII 2200 1 和田 竜二 2.13.8 岩元 市三
13 2000.03.19 阪 神 阪神大賞典 GII 3000 1 和田 竜二 3.09.4 岩元 市三
14 2000.04.30 京 都 天皇賞(春) GI 3200 1 和田 竜二 3.17.6 岩元 市三
15 2000.06.25 阪 神 宝塚記念 GI 2200 1 和田 竜二 2.13.8 岩元 市三
16 2000.10.08 京 都 京都大賞典 GII 2400 1 和田 竜二 2.26.0 岩元 市三
17 2000.10.29 東 京 天皇賞(秋) GI 2000 1 和田 竜二 1.59.9 岩元 市三
18 2000.11.26 東 京 ジャパンC GI 2400 1 和田 竜二 2.26.1 岩元 市三
19 2000.12.24 中 山 有馬記念 GI 2500 1 和田 竜二 2.34.1 岩元 市三
20 2001.04.01 阪 神 産経大阪杯 GII 2000 4 和田 竜二 1.58.7 岩元 市三
21 2001.04.29 京 都 天皇賞(春) GI 3200 1 和田 竜二 3.16.2 岩元 市三
22 2001.06.24 阪 神 宝塚記念 GI 2200 2 和田 竜二 2.11.9 岩元 市三
23 2001.10.07 京 都 京都大賞典 GII 2400 1 和田 竜二 2.25.0 岩元 市三
24 2001.10.28 東 京 天皇賞(秋) GI 2000 2 和田 竜二 2.02.2 岩元 市三
25 2001.11.25 東 京 ジャパンC GI 2400 2 和田 竜二 2.23.8 岩元 市三
26 2001.12.23 中 山 有馬記念 GI 2500 5 和田 竜二 2.33.3 岩元 市三

(年齢は旧表記)






テイエムオペラオー号 栄光の軌跡


01 サクラローレル
02 シンザン
03 リユウフオーレル
04 タケホープ
05 コレヒデ
06 エルコンドルパサー
07 オートキツ
08 タケシバオー
09 ハイセイコー
10 サクラスターオー
11 メイズイ
12 マヤノトップガン
13 オンスロート
14 コダマ
15 メジロラモーヌ
16 トウショウボーイ
17 ハクチカラ
18 イナリワン
19 カブラヤオー
20 グランドマーチス
21 エアグルーヴ
22 ミスターシービー
23 ホマレボシ
24 ミホノブルボン
25 ウイルデイール
26 テイエムオペラオー
27 マルゼンスキー
28 セイユウ
29 ダイナガリバー
30 オンワードゼア
31 ホウヨウボーイ
32 メジロマックイーン
33 グリーングラス
34 ジャングルポケット
35 シンボリルドルフ
36 アサカオー
37 ヒカリデユール
38 セントライト
39 ビワハヤヒデ
40 タイキシャトル
41 ハクリヨウ
42 トウメイ
43 ナリタブライアン
44 タマモクロス
45 カネミノブ
46 スピードシンボリ
47 オグリキャップ
48 トウカイテイオー
49 キタノカチドキ
50 メイヂヒカリ
51 イシノヒカル
52 テンポイント
 
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